一如 令和5年5月号

住 職 よ り

 宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念総登山が始まり、総本山大石寺には、日本のみならず世界各地の日蓮正宗僧俗が、日々登山参詣されており、特に功徳と歓喜に満ち溢れて総本山を下山される海外御信徒の姿を拝し、大聖人様が『乙御前母御書』に、「道のとをきに心ざしのあらわるヽにや」と仰せの如く、海外諸国からの登山者は、その志のままに、今回の登山に照準を合わせて、数年間に亘り時間と費用を工面し、本年を迎えられたことと存じ上げます。
 私たちは幸いにして、日帰りにて御登山をさせて頂くことのできる境涯におり、決してその境涯に胡座(あぐら)をかくことなく、年に一度でも多く総本山大石寺に登山参詣させて頂くことができるよう、志を立てることが肝要であります。
 また、本年は慶祝登山と共に、妙眞寺創立九十周年並びに法華講結成七十五周年の記念すべき年であります。この佳き年に仏祖三宝尊様への御報恩感謝はもとより、妙眞寺の礎を建立し、護持興隆発展に寄与されてきた先師先達方への報恩感謝の誠を尽くす為にも、私たち令和の妙眞寺僧俗が、より一層の興隆発展に寄与することができるよう、名実共にこの佳節を寿(ことほ)ぎ申し上げることが、今もって非常に大切なことであります。
 さて、心理学に『カラーバス効果』と呼ばれる心理効果があります。これは、私たちが何かを意識して行動していると、私たちの脳が自然とその意識に基づいた情報を収集するようになったり、自身の行動が変わったり、物の見方が変わってくるといった心理効果があるようです。これは仏法で言うところの一念三千の生命、特に色心不二の原理と同様な心理効果であり、心と体が一体不二なることを科学的根拠に基づいて説明されたものであると感じます。
 つまり、私たちにとって大切な心掛けは、慈悲の志高く、常に心に折伏の意識を持つことにより、自ずとお題目の功徳も、周囲の環境も、縁する人々も、全ての現証が大きく変わってくると確信いたします。
 よって、何が一番大事で優先すべきか、発言行動していくべきかは、私たちの一念心次第で、善くも悪くも変わっていくということでありますますからこそ、令和の法華講衆としての誇りを胸に、今生現世において受け難き人界の生を受け、巡り値い難き正法正義に縁することができた者としての使命と責務を全うする為にも、果敢に広布への志高き日々を送ることができるよう、努めて行くことが肝要であります。そして、御本尊様の広大無辺不可思議偉大なる功徳利益をもって、世情の浄化矯正と、あらゆる方々の幸福を実現すべく、志新たに信行増進して参りましょう。

御報恩御講(4月9日・午後の部)

御法主日如上人猊下御言葉

 すなわち、大聖人様は正嘉元(一二七五)年八月の大地震をはじめ、多くの天変地夭(てんぺんちよう)・飢饉(ききん)・疫癘(えきれい)によって、国中の人々が塗炭の苦しみに喘(あえ)いでいる惨状を見て、この天変地夭・飢饉・疫癘は、世の中の人々が皆、正法を捨てて悪法を信じていることにより、国土を守護すべき諸天善神が所を去って、悪鬼・魔神が住み着いているためであり、正法を信ぜず謗法を犯すことによって三災七難が起こると仰せられております。
 このように世の中の人々が苦しみ、国中が混迷を極めている根本原因こそ、法然の念仏であると断ぜられ、「如(し)かず彼(か)の万祈(ばんき)を修せんよりは此(こ)の一凶を禁ぜんには」と、謗法の一凶を断(た)って正法に帰依しなければ、災難を払い、仏国土を実現することはできないと仰せであります。そして、もし正法に帰依しなければ、七難の中、まだ起きていない自界判逆難(じかいほんぎやくなん)と他国侵逼難(たこくしんぴつなん)の二難が必ず競い起こると予言され、速やかに、「実乗の一善」すなわち妙法蓮華経の正法に帰依するよう御教示されているのであります。
 この『立正安国論』の御聖意(ごしようい)は永遠の指針であり、我々は片時も忘れてはならない御制誡であります。

 思うに、今日のコロナ禍による世界および日本の現状は、この『立正安国論』にお示しあそばされた当時の混乱に満ちた惨状と同じ様相を呈していると言っても、決して過言ではありません。
 されば、今こそ私どもは『立正安国論』の御聖意に任せ、すべての人々の幸せと仏国土実現を期して、邪義邪宗の謗法を破折し、妙法広布に挺身していかなければなりません。
 一人ひとりが「一心欲見仏 不自惜身命」の御文意を拝し、妙法広布に生きる時、我々は自分自身も、また自分を取り巻くすべての環境も変わっていくのであります。不幸な境界も、悪しき環境も、苦悩も、必ず幸せに変わっていくのでありまして、まさしく妙法受持の功徳であります。そして、この妙法受持の功徳によって個から全体へ、さらにその波動が国土世間へ及び、仏国土を築くことになるのであります。まさしく、これは一念三千の原理であります。
 皆様には、是非ともこのことを銘記され、特に今日、一人ひとりが『立正安国論』の御聖意を拝し、妙法広布のために戦いきっていただきたいと思います。

若葉会御講

妙眞寺よりお知らせ

★七日(日)午前九時より広布唱題会・永代御経日を奉修し、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★十日(土)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、五月度広布推進会が開催されます。参加割当は四名となっておりますでの、御参加のほど宜しくお願いします。
★十三日(土)午後七時、十四日(日)午前十時三十分・午後二時より、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、十四日(日)午後一時より若葉会御講を行います。また、十四日(日)午後三時より、妙眞寺法華講結成七十五周年記念・第三十三回法華講妙眞寺支部総会を開催します。
★六月十八日(日)は、第二回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。御開扉は午後一時三十分、総本山休憩坊集合は午後十二時となります。妙眞寺発着バスを御利用の方は、午前八時三十分出発と致しますので、午前八時十五分までに妙眞寺に集合して下さい。なお、今後七月、八月、十一月に同御登山を行います。百年に一度の宗祖日蓮大聖人御聖誕記念慶祝行事として、本年、五回に亘る総登山に一回でも多く御参加されますよう、御案内申し上げます。

宗旨建立会