一如 令和4年5月号

住 職 よ り

 桜花散り去り、新緑の季節となりました。妙眞寺檀信徒の皆様におかれましては、新年度を迎え一カ月が経過し、少々一段落ついたことと存じ上げます。しかしながら、世情はコロナ禍を始め、全国各地での大地震の頻発(ひんぱつ)や、ウクライナ侵攻の戦禍等、正に末法五濁悪世の様相を呈しております。
 いずれにしましても、メディアの情報を見聞きしたところで、何が真実で何が偽情報なのか、分別がつかないのが現状ではないでしょうか。
 とにかく、私たち日蓮正宗の僧俗にとって今、最も大事なことは、コロナ禍をはじめ全世界の平和安寧(あんねい)を願い、お題目を唱え尽くし、その功徳利益を折伏弘教に展開していくことが最も大事なことであります。
 歴史を振り返れば、大聖人様が御出現された鎌倉時代から今日に至るまで、現在のような民主主義国家となり、憲法第二十五条にある「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」ことを保障されたのは第二次世界大戦以降であり、その時代に至るまでは、人種差別や迫害行為、国内外での戦禍、天変地夭や疫病の災禍などが打ち続き、科学も医学も発展していないなか、多くの人々が傷つき苦悩に苛まれてきた時代ではなかったでしょうか。戦後の日本においては、医科学の発展により、ある程度落ち着いた時期もありましたが、それも長くは続かず令和の今日を迎え、現在の世情となっております。
 しかし、宗祖日蓮大聖人様が立教開宗して以来七百七十年の節目を迎え、一貫して変わらず継承されてきたのが、末法の御本仏様の教え、お釈迦さまが説かれた法華経寿量品の文底秘沈の大法たる、大聖人様説くところの正法正義であると存じます。これも偏に、御歴代上人猊下を始め、各時代の先師先達によって護られてきた賜物(たまもの)であります。そして、今日の邪宗謗法の害毒や三毒煩悩の悪風吹き荒び、あらゆる災禍によって混乱極まる世情を浄化矯正すべく、令和の法華講衆である私たちが、仏祖三宝尊様はもとより、先師先達方への報恩感謝の念を持って、単なる悪しき歴史の傍観者とならぬよう、今こそ真剣に信行の実践に励むべき時をよくよく鑑み、眦(まなじり)を決して成すべきことに当たることが肝要であります。
 どうか、妙眞寺檀信徒の皆様には、益々御本尊様への確信を深め、後悔なき有意義な日々をお送り頂き、来たるべき将来に向かい力強く前進して頂きたく願います。

宗祖日蓮大聖人御報恩御講(4月10日午後2時の部)

御法主日如上人猊下御言葉

 混沌とした末法今日の世の中を救えるのは、唯一、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の仏法以外にないことは、本宗僧俗であれば、だれもが知っていることであります。
 しかしながら、知っているだけでは理の信心であって、自行化他の信心からいえば、片寄った信心となり、大聖人様の御意にかなう信心とは言えません。
 つまり、信心とは実践であり、観念だけでは成仏いたしません。特に、自行化他の信心において折伏を忘れた信心は、大聖人様の御正意にかなう信心とは言えません。
 されば、『百六箇抄』には、「法自(おの)づから弘まらず、人、法を弘むるが故に人法(にんぽう)ともに尊し」と仰せであります。私どもは、謗法の害毒によって苦悩に喘ぐ多くの人々に謗法の恐ろしさを教え、正しい大聖人様の仏法によらなければ真の幸せを築くことはできないことを、一人でも多くの人に伝えていかなければならない大事な使命があることを忘れてはなりません。
 大聖人様は『法華初心成仏抄』に、「元より末法の世には、無智の人に機に叶(かな)ひ叶はざるを顧(かえり)みず、但強(し)ひて法華経の五字の名号(みようごう)を説いて持たすべきなり」と仰せであります。すなわち、折伏はたとえ相手がいかなる境界の人であろうが、またいかなる障魔が競い起きようが、広大無辺なる大御本尊様への絶対なる確信のもと、慈悲と忍辱と「一心欲見仏 不自惜身命」の決意を持って、勇躍として折伏を行じていくことが肝要であります。
 また、『持妙法華問答抄』には、「持(たも)つ処(ところ)の御経の諸経に勝れてましませば、能く持つ人も亦諸人にまされり。爰(ここ)を以て経に云はく「能く是の経を持つ者は一切衆生の中に於て亦(また)為(こ)れ第一なり(中略)されば持たるゝ法だに第一ならば、持つ人随って第一なるべし」と仰せであります。
 一閻浮題(いちえんぶだい)第一の御本尊を持つ者こそ、一切衆生のなかにおいて第一の者であれば、折伏に当たっても、我らは断固たる決意を持って、勇躍として折伏を行じていくことが肝要であります。私どもの自信に満ちた、確信あるひと言が、相手の心を動かすのであります。
 されば、私どもには一閻浮題第一の本門戒壇の大御本尊様が在(ましま)すことを心肝に染め、たとえいかなる障魔が惹起(じやつき)しようとも恐れることなく、一意専心、折伏に励むところに必ず大御本尊様の御照覧があることを確信す、講中一結・異体同心して折伏に励んでいくことが今、最も大事であります。

妙眞寺近隣に住むウクライナ人の方によるお盛り物をお供えしました

妙眞寺よりお知らせ

★一日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★七日(土)午後七時、八日(日)午前十時三十分・午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、八日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★十一日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、五月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。
★五月~六月の令和四年度法華講講習会登山を申し込まれた方々には、左記の時間帯により行われますので、午後十二時までには、登山事務所にて添書手続きを完了してください。なお、すでに全日程定員到達により、受付終了となっておりますが、遠方者向けの講習会定員はまだ余裕があり、締切日以降も余裕がある場合は、全地域の御信徒にも申し込みが拡張されます。

新緑の季節となり、昨秋住職が剪定した松も新芽が出て、安堵しました