御会式お花作りを終えて(2020年9月17日)

 本年度、御会式お花作りも本日をもちまして、すべて終了致しました。お手伝い頂きました方々には、心より厚く御礼申し上げます。あとは、10月24,25日に厳修予定の妙眞寺御会式法要を無事に迎え、皆様方にはいよいよ勇猛精進して「百日間唱題行」に励み、以て折伏誓願目標完遂成就に向かって御精進頂きたく存じます。

 

 さて、第二祖日興上人は広宣流布の暁(あかつき)に建立し奉る本門寺の戒壇について、四神相応の地に建立すべきことを『富士一跡門徒存知事』には、「一、本門寺を建つべき在所の事。彼の天台・伝教は在生に之を用ひらるゝの間、直ちに寺塔を立てたまふ、所謂大唐の天台山、本朝の比叡山是なり。而るに此の本門寺に於ては、先師何れの国何れの所とも之を定め置かれず。爰に日興云はく、凡そ勝地を撰んで伽藍を建立するは仏法の通例なり。然れば駿河富士山は是日本第一の名山なり、最も此の砌に於て本門寺を建立すべき由奏聞し畢んぬ。仍って広宣流布の時至り国王此の法門を用ひらるゝの時は、必ず富士山に立てらるべきなり。
一、王城の事。右王城に於ては殊に勝地を撰ぶべきなり。就中仏法と王法と本源体一なり。居処随って相離るべからざるか。仍って南都の七大寺・北京の比叡山、先蹤之同じ後代改まらず。然れば駿河国富士山は広博の地なり。一には扶桑国なり、二には四神相応の勝地なり。尤も本門寺と王城と一所なるべき由、且つは往古の佳例なり、且つは日蓮大聖の本願を祈る所なり云云。」(御書1873頁)と御指南されております。

 

 この四神とは、四方の方角を司(つかさど)り守護する霊獣とされ、北に玄武(げんぶ)・東に青龍(せいりゅう)・南に朱雀(すざく)・西に白虎(びゃっこ)の四神であります。また、四神の長として黄龍が中心を護るとも言われています。そして、この四神相応の地については諸説ありますが、代表的な解釈として、北には高い山や建物、林や森がある場所、東には川の流れがある場所、南には低地、水場がある場所、西には大通り、道が通る場所を意味します。

 

 不肖、私が妙眞寺住職となって10年の歳月が過ぎ去りましたが、最近、特に感ずることは妙眞寺支部の陣容も400名を越えた今、妙眞寺には、毎日足繁く参詣される当支部の方、御授戒などで妙眞寺に縁された方々、近隣に住まわれる他支部の方々、仕事や買い物で近くまでこられ参詣される方など、コロナ禍であっても参詣者が無い日は全くありません。住職と致しましては喜ばしい限りでありますが、毎日あらゆる御信徒に参詣頂いていることに、自然とその理由を探求しておりましたところ、唱題を行っていたある時、一つの考えがふと頭をよぎりました。それは、この妙眞寺が四神相応の地として非常に恵まれた場所に位置し、その有り難き因縁と徳によって多くの御信徒が参詣される縁因になっているのではないかということです。

 この四神相応の地として、北は、丘陵となり、その先には岡田の森、中根公園があり、東には呑川(のみがわ)の穏やかな渓流、南には九品仏川緑道の窪地があり、西には自由通りがあります。この自由が丘・緑が丘・大岡山の三地区の中でも、緑が丘全体が四神相応の地ともなっております。また、目黒区及び周辺区にわたって大きく見ましても、北には緑溢れる駒沢オリンピック公園、東には目黒川、南には洗足池、西には環状八号線が通っており、ちょうど、そのほぼ中心地点に妙眞寺が存します。機会がありましたら、インターネット等で御確認下さい。

 果たして、初代住職が敢えてこの地を選んだか否かはわかりませんが、いずれにしましても初代住職の手によって、広宣流布乃至城南布教の法城として、また寺院を建立すべき土地として四神や四神の長に護られるこの上ない最善最適な勝地に、この妙眞寺が建立されております。私たちにとって、このような土地に存する妙眞寺を菩提寺として信心修行に励めるとは、なんとありがたいことでしょうか。

 どうか、妙眞寺檀信徒の皆様におかれましては、このような意味も含みまして、広宣流布への折伏弘教はもとより、後世に向かってこの妙眞寺の護持興隆発展にいよいよ努めて参ろうではありませんか。