一如 令和5年6月号

住 職 よ り

 未だコロナ禍も完全に終熄しておりませんが、日々の生活環境はコロナ禍前に戻りつつあります。妙眞寺檀信徒の皆様には、しかるべき予防手段を執られ、油断せず信行の実践に励まれ、実りある毎日をお送り頂きたく存じます。
 先月末、緑ヶ丘小学校の田植えツアーにて、子供と共に宮城県角田市へ訪れる機会がありました。その際、東日本大震災によって被災した、宮城県亘理郡山元町(わたりぐんやまもとちよう)にある中浜小学校を見学しました。
 現在は山元町の震災遺構として整備されておりますが、四年前に訪れた時は、未だ手つかずの状態で、地震や津波による被災状況をそのまま感じる状況でありました。今回は、震災時の状況をより詳しく伺える様に整えられ、高さ十メートルにも及ぶ大津波から、中浜小学校の児童、教職員、保護者の合計九十名の命を、どのように守り抜くことができたかを詳しく知ることができました。
 その一つに、海岸より数百メートルに建つ校舎を建てるにあたり、来たるべき津波や高潮に備え、通常より堅牢な校舎の設計と、地元の方々の要望により地面から二メートルかさ上げして建立されたことによるものでした。そして、震災時には最大震度七に及ぶ大地震後、十分後には十メートルの津波が到達するとの連絡を聞いた、当時の校長先生の咄嗟の計算と判断により、前もってかさ上げした二メートルと、一階から二階校舎の天井までの高さ八メートルを足して十メートルということから、五十九名の生徒をものの数分で屋上にある物置に避難させ、更に津波の満ち引きにより、若干高さが減少したことにより、あと数十センチというところまで津波が押し寄せましたが屋上に至ることなく、あらゆる命や財産を奪い去った津波から、全員の命を守り切ることができたということです。
 今回、こうした体験を見聞きし、私達日蓮正宗の僧俗にとって、先を見通す幅広い視野と、いざという時正確な判断が出来うる境界、そして、自身では決して計り知ることのできない因縁宿習との対峙に備え、日々の弛まざる信行の実践によって、福徳増進して行くことの大切さを、改めて感じるものであります。
 更に、現状の境涯に満足することなく、より尊くより高い境涯を目指し、いかなる障礙が惹起しようとも、微動だにしない強靱な精神力を構築することができるよう、皆様には目先の欲得、我意我見に執われ、周囲を見渡すことができないような境界に堕すことがないよう、御自身はもとより、縁する周りの方々に心を砕き、自他共に混乱極まる令和の日々を、力強く確実に歩みを進めることができるように、更なる御精進を心よりお祈り申し上げます。

御法主日如上人猊下御言葉

 広宣流布への道は、日蓮大聖人様のお振舞いがそうであったように、妙法蓮華経の五字を、二人、三人、百人と順次に伝えていく以外にないと御教示あそばされているのであります。すなわち、私ども一人ひとりが大聖人様の教えを守り、弛まず折伏を実践していくところに、広宣流布の道が大きく開けてくるのであります。
 私どもは地涌の菩薩の拳属として、一切衆生救済の尊い使命があり、その使命を果たすためには、一人ひとりが日蓮大聖人の忍難弘通のお振舞いを拝し、広宣流布に向かって決然として折伏を行じていくことが肝要なのであります。
 大聖人様は『生死一大事血脈抄』に、「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此(じたひし)の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり。若し然(しか)らば広宣流布の大願も叶(かな)ふべき者か」と仰せであります。
 僧俗が異体同心・講中一結して唱題に励み、その功徳と歓喜をもって勇躍として折伏を行じていくところ、広宣流布の大願も必ずかなうと御指南あそばされているのであり、これこそが折伏誓願達成の秘訣であることをよくよく知るべきであります。
 大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』に、「いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにもせめざれば得道ありがたし」と仰せであります。
 たとえ信心をしていても「法華経のかたきをだにも せめざれば得道ありがたし」と仰せのように、不幸の根源である邪義邪宗の謗法を放置したまま、破折もせず、折伏をしなければ、未来永劫にわたる真実の幸せを獲得することはできないとの仰せであります。
 されば、私達は改めてこのことをしっかりと心に刻み、これからの折伏戦に臨んでいかなければならないと思います。そして、この広布の戦いにおいて大事なことは、「異体同心なれば万事を成(じよう)じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なし」と仰せのように、講中が一致団結・異体同心して折伏を行じていくことであります。
 よって私どもはこの御制誡を深く心に刻み、講中一結・異体同心し、全力を傾注して折伏に励み、一支部とも漏れることなく、本年度の折伏誓願を達成されますよう心からお願いし、本日の挨拶といたします。【五月度 広布唱題会の砌 令和五年五月七日 於 総本山客殿】

若葉会御講

妙眞寺よりお知らせ

★四日(日)午前九時より広布唱題会・永代御経日を奉修し、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★十日(土)午後七時、十一日(日)午前十時三十分・午後二時より、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、十一日(日)午後一時より若葉会御講を行います。御講終了後、今月十八日の青年部を主体とした妙眞寺支部総登山を控え、青少年部親睦会を行いますので、青少年部各位には、新しく入信された方々をはじめ、挙って御参加頂きたく存じます。
★十八日(日)は、第二回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。御開扉は午後一時三十分、総本山休憩坊集合は午後十二時となります。妙眞寺発着バスを御利用の方は、午前八時三十分出発と致しますので、午前八時十五分までに妙眞寺に集合して下さい。今回は青年部を主体に、青年部員参加・二十名を目標にしておりますので、青年部各位には万障お繰り合わせの上、多数御参加頂きますよう、宜しくお願いします。
★七月二十四日(月)は、第三回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。第三回目は少年部を主体に、少年部員参加・十五名を目標にしておりますので、少年部員の親御様には御協力のほど、宜しくお願いします。

御報恩御講(14日・午後2時)