一如 令和4年9月号

住 職 よ り

 本年もようやく酷暑が和らぎ、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる季節となりましたが、未だコロナ禍は止(とど)まることを知らず、ロシア軍によるウクライナ侵攻や、欧州の干(かん)魃(ばつ)による作物の不作等、正に兵革(ひようかく)・穀貴(こつき)・疫(えき)癘(れい)の三災、いわゆる戦争・飢(き)餓(が)・疫病の災禍が全世界を襲っております。
 正に大聖人様が『立正安国論』に、「近年より近日に至るまで、天(てん)変(ぺん)・地夭(ちよう)・飢(き)饉(きん)・疫(えき)癘(れい)遍(あまね)く天下に満ち、広く地上に迸(はびこ)る」と御教示のように、我が国においてはコロナ禍に追い打ちをかけるように、大雨による災害が全国各地を襲い、二重三重の苦しみ悲しみとなって国民の心を蝕(むしば)んでおります。
 これも偏にお釈迦様御自身が、「されば法華経の一の巻方便品に云は『「正直に方便を捨てゝ但(ただ)無上道を説く』文。此の文の意は前四十二年の経々、汝が語るところの念仏・真言・禅・律を正直に捨てよとなり」と、大聖人様が仏教における真実本懐の教えが法華経にあることを仰せられ、更に「今此(こ)の妙法蓮華経とは諸仏出世の本意、衆生成仏の直道なり。されば釈尊は付嘱を宣(の)べ、多宝は証明を遂げ、諸仏は舌相(ぜつそう)を梵天に付けて皆是真実と宣べ給(たま)へり。此の経は一字も諸仏の本懐(ほんがい)、一点も多(た)生(しよう)の助けなり。一言一語も虚妄(こもう)あるべからず」と大聖人様が仰せのように、お釈迦様が御自身滅後二千年後の末法の時代の為に、その法華経の文底秘沈の大法を上行菩薩に付嘱され、その再誕として御出現遊ばされたのが、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様なのであります。よって今、軒を連ねる仏教各派、新興宗教等の誤った宗教が因となり縁となり、人々の人生を不幸に陥れる根本原因となりっております。
 特に今、新興宗教団体の政治活動、選挙活動がクローズアップされ、政教分離の法を逸脱する姿、また民主主義の原理を根底から揺るがす姿が問われており、更に新興宗教団体の恐ろしさと、為(い)政(せい)者(しや)がその集票力に媚(こ)び諂(へつら)う姿が連日報道されております。
 とにかく私たちは、大聖人様が「只南無妙法蓮華経とだにも唱へ奉らば滅せぬ罪や有るべき、来たらぬ福(さいわい)や有るべき。真実なり甚深なり、是を信受すべし」との御教示を身に体し、世上の難局に屈することなく、一人でも多くの方の幸福なる境界の確立の為にも、「法華経の御信心強盛なれば大難もかねて消え候か。是(これ)につけても能(よ)く能く御信心あるべし」との大聖人様のお言葉のもと、世の中に蠢(うごめ)く三毒煩悩、五欲濁乱の果報がコロナ禍となって顕れ、更に自然災害やありとあらゆる人災の原因となっていることを拝し奉り、まずは自分自身が日々の信行実践福徳増進を心掛け、勇往邁進して頂きますことを心よりお祈り申し上げます。

 

御法主日如上人猊下御言葉

 本年「報恩躍進の年」も既に八月に入りましたが、皆様には日夜、折伏誓願に向けて御精進のことと存じます。
 さて『聖愚問答抄(しようぐもんどうしよう)』を拝しますと、「人の心は水の器(うつわ)にしたがふが如く、物の性(しよう)は月の波に動くに似たり。故(ゆえ)に汝(なんじ)当座は信ずといふとも後(ご)日(じつ)は必ず翻(ひるが)へさん。魔来(き)たり鬼(き)来たるとも騒乱する事なかれ」と仰せであります。すなわち、たとえ不退転の決意をもってことに当たるも、「人の心は水の器にしたがふが如く、物の性は月の波に動くに似たり」と厳しく御指摘されているように、移りやすきは人の心であります。
 何事もない平穏な時には悠(ゆう)然(ぜん)としていても、いざ現実に難が競い起こり、障魔が蠢(しゆん)動(どう)すれば、驚き慌てるのが人の常であります。
 しかし、大聖人は「魔来たり鬼来たるとも騒乱する事なかれ」と仰せられて、むしろ魔が競い起きた時こそ、信心決定(けつじよう)の絶好のチャンスと捉え、臆することなく泰然として対処するよう注意を喚起あそばされているのであります。
 されば、『椎(しい)地(ち)四(し)郎(ろう)殿(どの)御(ご)書(しよ)』には、「大難来たりなば強盛の信心弥々(いよいよ)悦びをなすべし。火に薪(たきぎ)をくわへんにさかんなる事なかるべしや。大海へ衆(しゆう)流(る)入る、されども大海は河の水を返す事ありや。法華大海の行者に諸(しよ)河(が)の水は大難の如く入れども、かえす事とがむる事なし。諸河の水入る事なくば大海あるべからず。大難なくば法華経の行者にはあらじ」と仰せられ、たとえいかなる大難が競い起きようが、はたまた障魔が蠢動しようが、かくなる時こそ、一生成仏への絶好のチャンスと捉え、なお一層、強盛なる信心に励んでいくところ、必ず解決の道が開かれてくると御指南されているのであります。
 されば、私どもはこの御金言を拝し、改めて妙法信受の広大無辺なる功徳を拝信し、講中一結・異体同心の団結をもって破邪顕正の折伏を行じ、もって誓願達成に向けて勇躍前進していくことが、今、最も大事であると知るべきであります。
 特に今、今日の騒然とした世相を見る時に、私どもは邪義邪宗の害毒によって塗(と)炭(たん)の苦しみに喘ぐ多くの人々に、一日も早く一切衆生救済の秘法たる妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないと思います。
 皆様方には、是非とも本年度後半の戦いに向けて、全支部が講中一結、心を一つにして折伏を遂行し、誓願を必ず達成されますよう心から念じ、本日の挨拶といたします。

 

妙眞寺よりお知らせ

★九月一日より、御会式お花作りを始めます。二百五十本作りますので、まずは巻き付けるお花を千二百五十個を先に作って頂きたく、宜しくお願いします。
★四日(日)は、午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★七日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、九月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、十月度広布推進会は、十月五日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において開催されます。
★十日(土)午後七時、十一日(日)午前十時三十分・午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講、並に龍口御難会を奉修致します。また、十一日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★二十三日(金)・二十五日(日)の両日にわたり、恒例の秋季彼岸会を午後二時より奉修いたします。(*二十四日は住職法務の為行いません) 御塔婆を申し込まれます方は、お早めにお願いします。
★妙眞寺団体登山は、現在のところ十一月二十三日(水)に延期いたしましたが、今後の新型コロナウイルス感染状況次第により日程を再考いたします。