一如 令和3年8月号

住 職 よ り

 先月半ばより、特に東京五輪が開催されている東京都内では、新型コロナウイルス新規感染者が爆発的に増えており、全国的にも増加傾向にあります。更にそうしたなかでの大雨による水害、土砂災害が全国各地で起こり、コロナ禍のなか、追い打ちをかけるような災害によって人々を苦しめております。

 更に、日に日に病床を圧迫しつつあるコロナ感染者を受け入れる医療の最前線では、「東京五輪どころではない」との言葉が聞かれるところであります。

 それでも、新型コロナウイルス感染リスクを冒してまでも、平和とスポーツの祭典である東京五輪に、世界各国より多くの選手が参加され、毎日熱戦を繰り広げている姿には、感動を覚えるものであります。特に新競技となった卓球男女混合ダブルスで、卓球王国・中国の最強ペアに大逆転の末、日本卓球界初の金メダルを取った、水谷隼・伊藤美誠選手の最後まで諦めず粘く戦った姿には、非常に感銘を受けました。

 こうしたなか、私たちは今こそ御本尊様の御仏智と諸天善神の御加護を確信し、信心まで自粛することがないように、三密を避け予防措置を執った上で、いよいよ信行の実践に励み、日々御自身の弛まざる鍛練に励む、オリンピック出場選手の不撓不屈の精神を我が身に体し、こうした時こそ妙法流布の時と感じて、周囲の悩み苦しんでいる方々に対して、より積極的に正法広布に努めて頂きたく存じます。

 現在、妙眞寺におきましては、境内でのクラスター感染防止のため、出来うる限りの措置を執っております。そして、毎日あらゆる方々が参詣され、勤行への参加、お題目を唱えるお姿があり、御先師日顕上人が「すべてに通じておるところの絶対的な意味での善の行は、南無妙法蓮華経と唱える唱題行であります」と仰せのように、やはり今大事なことは、全てに相通ずる唱題行の実践に尽きると思います。

 そして、唱題行で得た功徳利益を以てコロナ禍を乗り越え、毎日の生活や信心修行においても、お題目を唱えつつ、より粘り強く、油断怠り無く、自らの境涯を無限に開けるような信行の実践に励み、特に今月、来月はお盆、お彼岸の月であります。どうか先祖菩提への追善供養の誠を尽くして頂きたく存じます。

御法主日如上人猊下御言葉

 『太田左衛門尉殿御返事(おおたさえもんのじようどのごへんじ)』を拝しますと、「法華経と申す御経は身心の諸病の良薬なり。されば経に云はく「此の経は則ち為れ閻浮提(えんぶだい)の人の病の良薬なり。若し人病有らんに是の経を聞くことを得ば病即消滅して不老不死ならん」等云云」と仰せであります。

 まさに今、コロナ感染症によって日本国のみならず世界中が騒然としていますが、かくなる時こそ、私ども改めて大御本尊様の広大無辺なる功徳を拝し、いかなる病魔も降伏(ごうぶく)すべく強盛に自行化他の信心に励み、なお一層の精進をもって病苦と対峙していくことが肝要であります。

 大聖人様は『富木尼御前御書』に、「阿闍世王(あじやせおう)は法華経を持ちて四十年の命をのべ、陳臣(ちんしん)は十五年の命をのべたり。尼ごぜん又法華経の行者なり。御信心は月のまさるがごとく、しをのみつがごとし。いかでか病も失せ、寿(いのち)ものびざるべきと強盛にをぼしめし、身を持し、心に物をなげかざれ」と仰せであります。

 御承知の通り、阿闍世王は、古代インドのマカダ国の王である父の頻婆娑羅王(びんばしやらおう)を監禁し、獄死させて王位に就いたのでありますが、のちに釈尊の教えに帰依し、仏教の熱心な保護者となって、四十年も寿命を延べたとあります。 

 また陳臣は、ある仙人から「あなたは一カ月後に死ぬ」と予言されましたが、天台大姉の教えを受け、修行することによって、十五年間も寿命を延ばしたと言われております。

 これらの御文を拝し、いかなる病魔も大御本尊様に対する強盛なる信心によって対治できることを確信し、それぞれがコロナ感染症に負けず、なお一層の精進をもって題目を唱え、いよいよ強盛に自行化他の信心に励んでいくことが、今、最も肝要であります。

 大聖人様は『如説修行抄』に、「今の時は権教即実教の敵と成る。一乗流布の代の時は権教有って敵(かたき)と成る。まぎらはしくば実教より之を責むべし。是を摂(しよう)折(しやく)の修行の中には法華折伏と申すなり」と仰せであります。

 されば、私どもは異体同心・一致団結して、コロナ感染症によって世情が混迷を極めている今こそ、全力を傾注して折伏を行じ、一天広布を目指して、いよいよ精進されますよう心から念じ、本日の挨拶とさせて頂きます。

妙眞寺よりお知らせ

★四日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、八月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、九月度広布推進会は、九月八日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺にて開催され、同じく三名の参加割当となっております。★五日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★七日(土)午後七時、八日(日)午前十一時・午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を行います。また、八日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★十四日・十五日(木)午後二時・六時より、恒例の盂蘭盆会を奉修申し上げます。お塔婆を願われます方は、なるべく十日頃までにお申し込み下さい。
★各御自宅での宅御講・お盆経も随時行っておりますので、御希望の方は是非願い出て下さい。
★現在、「緊急事態宣言」が発令されております東京都在住御信徒の総本山への登山は、ワクチン接種二回目を終えた方のみとなっております。