一如 令和3年7月号

住 職 よ り

 本年も下半期を迎え、未だ新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っておりますが、ワクチン接種も徐々に進み、今月は東京五輪も開催されることになっております。とにかく、私たち日蓮正宗の僧俗たるもの、コロナ禍に恐れず怯まず、信心をもってこの災禍を乗り越えるべく、妙眞寺檀信徒の皆さまには、より一層信行増進して福徳を積み累ねて頂きたく願います。
 先月二十七日に、家族と共に本年初めて、総本山大石寺に登山参詣し、御開扉に参加させて頂きました。その折、御法主日如上人猊下様は、「折伏を成就できないのは、折伏をしていないからである。あらゆる方法を立てて、これがだめだったら、次はこれ、これでだめだったら、次はこうした方法で折伏して行こうと、具体的な実践方途を住職と講中で考えを出し合い、講中一結して実行していくことが大事である(取意)」と、有り難くもこと細かに御指南賜りました。
 この御指南のままに、コロナ禍ではありますが、残すところの日々を世のため人のため精進してい参りましょう。

 さて、私たちの信仰の上で肝要なことの一つとして、先師先達方の信心に倣(なら)うことであります。大聖人様御在世当時以来、今では考えられないような厳しい時代背景のなか、先師先達方が過酷な状況下で信心を貫き通し、大聖人様の教えを護られ弘められてきたからこそ、令和の今日、私たちは、道心のままに不自由無く信仰できるのであります。
 また、歌人・北原白秋氏、妙眞寺総代を務めた北原鐡雄氏の父・北原長太郎氏は、毎日勤行と一万遍のお題目を欠かさず唱え続け、失明状態であった眼を見事に開かしめており、この信心は目標、目的を立て成就するその日まで、油断や怠慢、諦めなく、辛抱強く続けて行くことの大切さを教えて頂いております。
 時には、辛く大変な状況もあるでしょうが、たとえどんな苦難が起きても、忍耐をもって信行の実践に励み、我が境界を高めていくことが必要不可欠であり、ましてや御自身の宿業の果報や今生現世の悪の因縁は、御本尊様の御仏智でしか解決できない非常に困難なものでありますからこそ、日々怠らず我意我見の無い、御本尊様から功徳利益を頂けるような純粋な信仰であるかどうか、日常の軽率な発言、行動で悪因を積んではいないかどうか。コロナ禍の今だからこそ、今一度御自身の日頃の身口意に亘る行業を省み、よりよく境涯を開けるような人生を再構築して頂きたく存じます。

御法主日如上人猊下御言葉

 既に皆様も御承知の通り、今、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、国内のみならず世界的に混沌とした様相を呈しております。
 しかし、こうした現状を見て、我々は改めて一人ひとりが『立正安国論(りつしようあんこくろん)』の御聖意(ごしようい)を拝し、この窮状(きゆうじよう)を根本的に救えるのは、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の三大秘法の仏法以外にはないことを、よく知るべきであります。
 大聖人様は『立正安国論』に、「倩(つらつら)微管(びかん)を傾け聊(いささか)経文(きようもん)を披(ひら)きたるに、世(よ)皆正(しよう)に背き人悉(ことごと)く悪に帰(き)す。故に善神国を捨てゝ相(あい)去り、聖人(しようにん)所を辞して還(かえ)らず。是(ここ)を以て魔来たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」と仰せであります。
 すなわち、すべての災難と混乱の原因は、まさしく「世皆正に背き人悉く悪に帰す」と仰せのように謗法の害毒にあり、私どもは一切の謗法を捨て、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の仏法を正しく信仰していくところに、諸難を乗り越えることができるのであります。よって一人でも多くの方々の幸せと国家社会の平安が、この妙法によって初めて実現できることを忘れてはならないのであります。

 よって同じく『立正安国論』には、「嗟呼(ああ)悲しいかな如来誠諦(じようたい)の禁言に背(そむ)くこと。哀(あわ)れなるかな愚侶(ぐりよ)迷惑の麁語(そご)に随ふこと。早く天下の静謐(せいひつ)を思はゞ須(すべから)く国中(こくちゆう)の謗法を断つべし」と仰せられ、混迷を極める今日の窮状を救うためには何を差し置いても、諸悪の根源である邪義邪宗の謗法を対治し、折伏を行じていかなければならないと断じられているのであります。
 されに、『聖愚問答抄(しようぐもんどうしよう)』には、「今の世は濁世(じよくせ)なり、人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし。此(こ)の時は読誦・書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり。只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき、又法門を以ても邪義を責めよとなり」と仰せであります。
 大聖人様は、ここでも謗法が充満して人心が攪乱(こうらん)し、末法濁悪の世相をそのまま映し出している今こそ、我々一人ひとりが大聖人様の弟子檀那として、一意専心、断固たる決意を持って折伏を行じていくことが最も大事であると仰せあそばされているのであります。

妙眞寺よりお知らせ

★四日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★七日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、七月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、八月度広布推進会は、八月四日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺にて開催され、同じく三名の参加割当となっております。
★十日(土)午後七時、十一日(日)午前十一時・午後二時、十五日(水)午前十一時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を行います。また、十一日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★十五日(木)午後二時・六時より、恒例の盂蘭盆会を奉修申し上げます。お塔婆を願われます方は、なるべく十日頃までにお申し込み下さい。
★本年も七月度唱題行を行いますが、今月十一日まで新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」が発令されておりますので、妙眞寺では、火・水・金曜日の午前十一時からの週三回と行います。それ以外の日は各自御自宅で、毎日一時間の唱題行を行って下さい。
★各御自宅での宅御講も随時行っておりますので、御希望の方は是非願い出て下さい。