師走を迎え、いざ令和六年『折伏前進の年』へ①

第五回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺檀信徒総登山~道中記~

 本年『折伏躍動の年』も12月を迎え、残すところ一カ月となりました。11月23日(木)には、本年の掉尾を飾るべき宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺檀信徒総登山の最後となる、第5回目の総登山を妙眞寺創立九十周年慶祝記念登山と位置づけて、七十名余りの檀信徒の皆様と御登山させて頂きました。
 登山当日、妙眞寺出発の貸切バスは午前八時三十分に妙眞寺を出発し、自家用車により登山される方々も次々と御自宅を出発されましたが、途中、東名高速道路の事故渋滞の連鎖に巻き込まれ、御開扉開始時間の午後一時三十分までに総本山大石寺へと着山できない状況となっておりました。
 東名横浜町田インターから御殿場インターまでの所要時間が、四時間以上という表示を見つつ、自家用車で総本山へと向かう御信徒の皆様から、次々と私の携帯電話に「着山が間に合わないかもしれない旨」の連絡が入るなか、「とにかく総本山を目指しましょう。なんとかなることを信じましょう」と返事をして、ただただ諸天の御加護を信じて中川登山部長の運転する車で、中央高速道路へ迂回して総本山へと向かい、先に総本山へと着山していた御信徒に、登山参加者全員の内拝券を受け取りに登山事務所へと向かって頂き、午後十二時四十分、なんとか着山することができました。その後、妙眞寺を出発した貸切バスをはじめ、続々と自家用車で総本山へと向かっていた方々が着山され、午後一時十分には、参加者全員が無事、休憩坊である総本山遠信坊へと集合することができ、午後一時三十分から開始される御開扉に臨むことができました。
 私が平成二十二年に妙眞寺住職として赴任して以来十三年、毎年妙眞寺檀信徒総登山を行い、檀信徒の皆様と共に総本山へと御登山させて頂いて参りましたが、史上初めて一度に七十名を超える参加者が結集し、大結集歓喜の御登山となる喜びとは裏腹に、通常は二時間余りで御登山できるところを、四時間以上かけての総本山への道中、こんなに危機感溢れる御登山になるとは思いもしなかった次第であります。そして、何よりも「必ず全員が御開扉に臨むことができること」を固く信じて総本山へと向かい、あとは諸天の用きを信ずるのみと願っていたところ、突如として大渋滞が解消され、参加者全員が無事御開扉に間に合い、これほど歓喜に次ぐ歓喜をもって御開扉に参加させて頂く御登山、どこかしら心の中に油断が生じ障魔に付けいる隙を与えてしまったと、大御本尊様へ心から反省懺悔申し上げる御登山ともなりました。
 私も日頃から皆様に、宗祖日蓮大聖人様が『弥源太殿御返事』の「日蓮法華経の文の如くならば通塞の案内者なり。只一心に信心おはして霊山を期し給へ」との御金言を御紹介申し上げておりますが、今回の御登山は正にその御文ありのままに、末法令和の今、「霊山浄土に似たらん最勝の地」と拝すべき総本山大石寺に向かい、日頃の皆さんの信行実践の功徳をもって、大聖人様が事故渋滞によって塞がってしまっている状況を打破し、総本山大石寺へと私たちを案内して頂いたものと深く拝するものであります。
 どうか、皆様には今回の御登山の経験を通じて、改めて総本山大石寺への御登山は、通常ならば自家用車や鉄道各線では二時間余りで登山参詣できますが、その身心に油断怠りがあったならば、思わぬ障礙が出来することを肝に銘じ、どこまでも「阿仏房の精神」を心に抱き、総本山へと無事登山参詣させて頂くことが、どれほど有り難いことであるかを噛み締めつつ、ぬるま湯につかるような思い、帰りの時間ばかりを気にするような心根を排除し、それこそ海外信徒や国内でも遠隔地にお住まいの方々は、多くの時間と多額の交通費をかけて御登山されている姿に畏敬の念をもって、今ある我が身の状況を本当に有り難く感じつつ、決して胡座をかいて足下をすくわれることがないよう在りたいものです。