御報恩御講(令和5年11月)
令和五年十一月度 御報恩御講
『高橋入道殿御返事(たかはしにゅうどうどのごへんじ)』 建治元年七月十二日 五十四歳
末法(まっぽう)に入(い)りなば迦葉(かしょう)・阿(あ)難(なん)等(とう)、文殊(もんじゅ)・弥(み)勒(ろく)菩(ぼ)薩(さつ)等(とう)、薬王(やくおう)・観音(かんのん)等(とう)のゆづられしところの小乗経・(しょうじょうきょう)大乗経(だいじょうきょう)並(なら)びに法華経(ほけきょう)は、文(もん)字(じ)はありとも衆生(しゅじょう)の病(やまい)の薬(くすり)とはなるべからず。所謂(いわゆる)病(やまい)は重(おも)し薬(くすり)はあさし。其(そ)の時(とき)上行菩薩(じょうぎょうぼさつ)出現(しゅつげん)して妙法蓮華経の五字(ごじ)を一閻(いちえん)浮(ぶ)提(だい)の一切衆生に(いっさいしゅじょう)さづくべし。 (御書八八七㌻五行目~七行目)
【通釈】末法に入ると迦葉・阿難等、文殊・弥勒菩薩等、薬王・観音等が譲られた小乗経・大乗経ならびに法華経は、文字はあっても衆生の病の薬となることは決してない。言わば、病は重く薬(の効果)は浅いということである。その時上行菩薩が出現して、妙法蓮華経の五字を一閻浮提の一切衆生に授けるのである。
□住職より
今月8日に大願寺において行われた、11月度広布推進会にて大修寺御住職・國島道保御尊師より次のような指導がありました。
「平成三年の創価学会破門以後、創価学会側は様々な方法で宗門攻撃をしてきたが、その中に司法制度を悪用した民事訴訟があった。現在は全て終結しているが、訴訟件数は学会側提訴事件が百四十件にのぼり、原告数も延べ約一五〇〇名にも及んた。これらの多くは宗門側応訴の負担と、学会メディアでの攻撃材料とする目的で提訴されている。ある事件での判決文では、学会側の主張が「ためにするもの」等と判示され、指弾している。これらは、全国の縁ある弁護士数十名の方々が宗門弁護を受任してくださった。そして、総本山での泊まりがけの会議や、現地での採証活動を重ね、対応してきた。宗門側の八十四%という圧倒的な勝訴となり、創価学会の攻撃を粉砕した。さて、これらの膨大な事件を弁護された弁護士で、宣徳寺ご信徒となられた菅充行先生が本年六月二日、行年七十八歳で逝去された。御法主日如上人猊下より尊号を賜り、秋元日高御住職の御名代で漆畑日実海外部長様の御導師により葬儀が執り行われた。菅先生には、三十年以上にわたり、宗門弁護団の中心者として闘い抜かれ、ご尽力いただいた。また、卓越した英語力で海外布教にも多大なご尽力をいただき、海外での裁判や諸問題に対応された。また、数々の案件につき、常に明確で筋道の通った法律的御意見を頂き、どれ程お世話になったか計り知れない。そして、度重なる裁判の打ち合わせなどで直接、日顯上人にまみえ、その厳格なご尊容にふれ、秋元御住職の折伏をいただき、平成二十年、宣徳寺様にてご家族一同と共に御授戒、御本尊御下附をいただいた。墓地も総本山に建立し改葬された。そして、先般、ご自身も埋蔵された。今は、総本山の日顯上人のもとで、自受法楽あらせられていることと拝する。宗門守護の聡明なお人柄に尊敬の念を抱いていた者として、ご紹介させていただいた。『法師品』に、「則ち変化の人を遣して、之が為に衛護と作さん」と説かれ、『四条金吾殿御消息』に、「此等の経文よも虚事にては候はじ。強盛の信力こそありがたく候へ」と、必ず諸天善神がさまざまな姿をもって守護をすると説かれる。御法主日如上人猊下は、「諸天善神の守護のもと、必ず諸難を乗りきることができる」と御指南されている。桜梅桃李、自分にしかできない広布へのお役目がある。自分にしかできない折伏の縁がある。たとえ何年も成果がでなくても諦めてはいけない。御本尊様を信じ、自分を信じ、自分ができること、自分にしか出来ないことに集中することが大切だ。本年「折伏躍動の年」、御指南を拝し、布教区内励まし合い、指導教師のもと、折伏誓願成就へ、後悔なきよう一年を納めていこう。(要旨)」と御指導であります。
このように日蓮正宗から離反していった創価学会をはじめ、顕正会や正信会などは、それぞれの機関誌等によって宗門を誹謗中傷したり、あらゆる訴訟を起こすことによって、それぞれの正当性を主張しておりますが、私たち日蓮正宗の僧俗からすれば最早、本門戒壇の大御本尊様と宗祖日蓮大聖人様以来血脈伝持の御法主上人を離れての信仰は、大聖人様との御縁もゆかりも無くなり、その正当性を示す論拠もありません。ましてや血脈相承を否定したり、御歴代上人を誹謗中傷するなどの態度を呈しているにもかかわらず、未だに御歴代上人お認めの御本尊様や、その御本尊様を勝手に複製して拝するといった、身の毛もよだつような姿には、当然功徳の法水も流れず、似て非なる信仰をしているに過ぎません。故に、そうした信仰のなれの果ては、あらゆる謗法の現証が顕われ、悩み迷い苦しむ姿となり、多くの創価学会員の方々が次々と脱会し全国各寺院へ正法を求め、顕正会や正信会の方々も同様に日蓮正宗に再入信されている姿が顕著となっております。
私たちは、大聖人様以来七百星霜、あらゆる濁世乱世のなかをいつの時も身命を賭して万難を排し、御戒壇様と大聖人様がお説き遊ばされた御法義、大御本尊様の御内証を受け継がれてきた御歴代御法主上人、御法主上人を護り抜き宗門を興隆発展なさしめてこられた先師先達方の護法の一念と血の滲むような御労苦があってこそ、令和の今日、寸分の狂いも濁りも無く、正しく清らかな信心を行ずることができるのであり、その御恩徳に今一度感謝申し上げ、いついかなる時、何があっても戒壇の大御本尊様在します総本山大石寺を功徳の法水の源と仰ぎ奉り、血脈付法の御法主上人に信伏随従申し上げ、ただただ御本仏様の御照覧と諸天善神の御加護を確信して精進して参りましょう。