一如 令和5年7月号

住 職 よ り

 本年も下半期となりましたが、依然コロナ禍の終熄もままならず、更にインフルエンザや胃腸炎、長引く咳を伴う風邪が流行っております。そして、全国各地で自然災害が猛威を奮い、コロナ禍に追い打ちをかけるような日々、私たちは改めて無病息災にして平和安穏なる日々を送ることが、いかに有り難いことかを痛感致します。
 こうした日々をいかに生きるかを説かれているのが仏様の教えであり、その文証や道理、そして現証の上から、令和末法の今日、私たちが信じ行ずるべき正法正義が、お釈迦さまの出世の本懐たる法華経の、本門寿量品文底秘沈の大法たる南無妙法蓮華経の教えであります。
 有り難くも私たちは、過去からの因縁宿習によって人として生を受け、値い難き大聖人様の正法に縁することができたことを、決して軽々しく考えてはならないと思います。
 世の中の全ては、仏さまの御仏意のままに時々刻々と有為転変しており、私たちは仏さまの御意に適った日々を送ることが重要であり、そこにまた、一生成仏の大直道へと繋がって行くのであります。
 仏教には『四無量心』という教えがあります。この教えは、慈・悲・喜・捨という四つの心であり、無量という計り知れないほど我が身に心掛け、実践していくことであります。すなわち、ありとあらゆる人々に慈しみの心を持って接し、身の周りに悩み苦しみ困り果て悲しんでいる人がいたならば、親身になって寄り添うことが肝要であります。そして、我が喜びを追い求めるに留まらず、あらゆる方々の喜びを願い共に喜び合えるよう努め、その為にも御自身の凝り固まった我意我見、偏見や差別、自分よがりの考え方を捨て去り、瞋りや憎悪に満ちた三悪道四悪趣といった醜い境界を離れ、常に冷静沈着にして、正しく物事を推し量れるよう心掛けることが肝要であります。
 こうした境界を具えつつ、仏さまより与えられた人生を有意義に全うして行くには、今一度自分自身の日頃の発言や行動を省みて頂くことも至極大事なことであります。特に日蓮正宗は折伏の宗旨であり、より多くの方々をこの正法に帰依せしめ、共に幸福なる人生を歩むことができるよう努めているかどうか、一カ月に一人下種・折伏をすれば一年で十二人、一週間に一人であれば五十二人となり、是非ともそうした方々を一人でも多く、広大無辺不可思議偉大なる功徳を生ずる妙法の教えに帰依せしめて頂きたいと願います。

御報恩御講(11日午後2時)

御法主日如上人猊下御言葉

 不軽菩薩(ふきようぼさつ)は、礼拝行(らいはいぎよう)を通して衣座室(えざしつ)の三軌(さんき)を身口意(しんくい)の三業(さんごう)にわたって行じた功徳によって、大神通力(だいじんずうりき)等の三力(さんりき)を得(え)、また、これを目の当たりにした増上慢の四衆も、法華経に帰依することができたのであります。つまり、不軽菩薩を迫害した増上慢の者達も、さすがに不軽菩薩の大神通力を見て、ついに信伏随従するに至らざるをえなかったのであります。このことは、私どもの信心、特に折伏において、まことに大事なことが示されているのであります。
 折伏には説得力が必要であります。説得力が乏しいと、相手はなかなか信じません。したがって、説得力を身に付けなければなりませんが、説得力と言っても、言葉が巧みなだけでは相手は入信しません。
 大聖人様は『法蓮抄』に、「凡夫は此の経は信じがたし。又修行しても何の詮かあるべき。是を以て之を思ふに、現在に眼前の証拠あらんずる人、此の経を説かん時は信ずる人もありやせん」と仰せであります。
 すなわち、折伏に当たって最も説得力があるのは、信心の功徳を身をもって示す、すなわち現証として示すことだとおっしゃっているのです。 
 今、私どもの折伏も、不軽菩薩の大神通力、楽説弁(ぎようせつべん)力、大善寂(だいぜんじやく)力を目の当たりにして、増上慢の四衆が等しく、その説くところを聞いて信伏随従するに至ったように、確たる信心の現証を示すことが肝要であります。
 そのためには、まず自らが自行化他の信心に励むことであります。自行化他の信心に励むところ、おのずと妙法の広大無辺なる功徳によって、我らもまた不軽菩薩と同様に、大神通力、楽説弁力、大善寂力を得ることができるのであります。
 故に、大聖人様は『御義口伝』に、「所詮今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱へ奉る行者は末法の不軽菩薩なり」と仰せられているのであります。
 すなわち、私どもが不軽菩薩と同様に、大神通力、楽説弁力、大善寂力を得ることができれば、おのずと我らの身口意の三業にわたる所行のすべてが折伏に役立つ、強烈な説得力を持つことになるのであります。
 例えば、折伏の言葉一つ取っても、自然と楽説弁力等の功徳が発揮され、相手の信頼を得ることができるのであります。
 折伏は結局、我々の言っていることを、相手が信じてくれなければ何もなりません。相手の信頼に足る言葉、行い、意がなければ、折伏は成就しないのであります。

若葉会御講

妙眞寺よりお知らせ

★二日(日)午前九時より広布唱題会・永代御経日を奉修し、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★八日(土)午後七時、九日(日)午前十時三十分・午後二時より、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、九日(日)午後一時より若葉会御講を行います。
★十五日(土)、十六日(日)午後二時・六時より、恒例の盂蘭盆会を奉修致します。なお、八月は十三日(日)、十五日(日)午後二時・六時より奉修致します。また、お盆経を御希望されます方は、随時、妙眞寺まで御連絡下さい。
★二十四日(月)は、第三回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。御開扉は午後一時三十分、総本山休憩坊集合は午後十二時となります。妙眞寺発着支部車を御利用の方は、午前八時三十分出発と致しますので、午前八時十五分までに妙眞寺に集合して下さい。今回は少年部員参加・十五名を目標にしておりますので、少年部の親御様各位には万障お繰り合わせの上、多数御参加頂きますよう宜しくお願いします。
★十二日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、七月度広布推進会が開催されます。中川講頭をはじめ、法華講役員の方々を中心に御参加下さい。
★八月二十日(日)は、第四回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。

宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念第2回妙眞寺支部総登山