一如 令和5年3月号
住 職 よ り
いよいよ、コロナ禍による二年の延期期間を経て、来たる三月四日より十二月十九日に至るまで、日蓮正宗総本山大石寺において、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念総登山が行われます。妙眞寺と致しましては、三月二十六日(日)の第一回支部総登山を皮切りに、計五回の総登山を予定しておりますので、百年に一度の大慶事にお一人も漏れず、挙(こぞ)って御参加頂きたく存じます。
さて、コロナ禍もだいぶ沈静化している状況とはなっておりますが、今後再び再流行して悪化するのか、将又(はたまた)終熄に向かうのかは、御仏智しからしむるところであり、私たちの凡眼凡智には計り知れないところであります。
しかしながら、今私たちはこうした大惨事の中であるからこそ、末法唯一無二の正法正義への確固たる信仰心をもって、力強く前進していくべき、大事な局面を迎えていると拝するべきであります。特に新興宗教の不祥事が明らかになっている昨今、宗教に対する風当たりや不信感が顕著となり、私たちが折伏弘教を行って行くに当たり、何を旨とし何を資糧として行じていくべきであるか。その真価が問われていると言っても過言では無いと思います。
よって私たち日蓮正宗の僧俗はまず、ありとあらゆる人々から信頼され慕われる存在になることが大事であり、その為にも、常に謙虚で正直な所作振る舞いを心掛け、その場しのぎの玉虫色(たまむしいろ)の発言行動は厳に慎むべきであり、ましてや相手の不興(ふきよう)を買うようなことがあったならば、それこそ日蓮正宗の法を下げ、広布への前進を妨げることになってしまいます。私たちの折伏において一番肝心なことは、率先して慈悲の境界を構築することであります。
折伏とは、決して口ばかり言葉ばかりで行う行業(ぎようごう)ではありません。まずは本当に折伏したい相手のことを祈り念じて、真剣に御本尊様にお題目を唱え尽くし、その功徳を相手の命、魂に送り届けることができるよう、全身全霊をもって慈悲の一念を一遍一遍のお題目に込めて頂くことが肝要であります。
更にそうした姿、境界から、自(おの)ずと今生現世においてこの法を求めるべき、縁するべき人に巡り値うことが出来うる境界を目指して、日々信行の実践に励み徐々に境界を高め、今日の混沌とした世情の浄化矯正の為にも、一人でも多くの方々の幸福なる人生を構築することができるよう、また、悩み苦しみ、悲しみに喘ぐ人がいたならば、そうした境涯からの脱却を成し得ることができるよう、今こそ私たちはその使命と責務を全うすべく、御法主日如上人猊下の御指南をよくよく銘記し、有益(ゆうえき)にして意義ある日々をお送り頂きますよう心より念願申し上げます。
御法主日如上人猊下御言葉
大聖人様は、貞応(じようおう)元年二月十六日、法華経において予証された通り、外用(げゆう)上行菩薩、内証(ないしよう)久遠元初自受用身(くおんがんじよじじゆゆうしん)の御本仏として末法に御出現あそばされました。
その目的は『御義口伝(おんぎくでん)』に、「妙法の大良薬(だいろうやく)を以て一切衆生の無明(むみよう)の大病を治せん事疑ひ無きなり」と仰せのように、「妙法の大良薬」すなわち、久遠元初の本法たる人即法・法即人の妙法蓮華経にして、人(にん)に約せば久遠元初自受用報身如来の再誕、末法御出現の御本仏宗祖日蓮大聖人であり、法に約せば久遠元初の妙法であります。この人法一箇(にんぽういつか)の妙法をもって、末法本未有善(ほんみうぜん)の一切衆生を救済せんために御出現あそばされたのであります。
しかるに、世の中の多くの人々は、謗法の害毒によって苦しみから逃れることができず、苦悩に喘いでいるのであります。その上、謗法によって人心が乱れ、さらに依正(えしよう)不二の原理によって、それがそのまま国土の乱れを招き、一国が無間大城に堕ちて苦しんでいるのであります。
そもそも『立正安国論』の原理に従えば、世の中が乱れ、人々が不幸と混乱と苦悩に喘いでいる根本原因は、すべからく邪義邪宗の謗法の害毒にあり、この謗法の対治なくして人々の幸せも、世の中の平和も、国土の安穏も実現することはできないのであります。
ここに今、私どもが決然として謗法を破折し、折伏を行じていく大事な理由が存しているのであります。(中略)
折伏に当たっては、たとえ相手が反対したとしても諦めず、根気よく、諄々(じゆんじゆん)と法を説いていくことが肝要なのであります。よって『法華初心成仏抄』には、「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり。譬へば人の地に依りて倒れたる者の、返って地をおさへて起つが如し。地獄には堕つれども、疾く浮かんで仏になるなり。当世の人何となくとも法華経に背く失に依りて、地獄に堕ちん事疑ひなき故に、とてもかくても法華経を強ひて説ききかすべし」と仰せられ、末法今時の本未有善の衆生に対しては、真心を込めて法華経、すなわち本因下種(ほんにんげしゆ)の妙法を、確信と断固たる決意を持って「とてもかくても」説いていくことが肝要なのであります。
今、宗門は、各講中ともに折伏誓願達成へ向けて、僧俗一致・異体同心の団結をもって全力を傾注し、前進すべき大事な時を迎えております。
二月度 広布唱題会の砌 令和五年二月五日 於 総本山客殿
妙眞寺よりお知らせ
★五日(日)午前九時より広布唱題会・永代御経日を奉修し、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★八日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、二月度広布推進会が開催されます。参加割当は三名となっておりますでの、宜しくお願いします。
★十一日(土)午後七時、十二日(日)午前十時三十分・午後二時より、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、十二日(日)午後一時より若葉会御講を行います。
★十九日(日)、二十一日(火)午後二時、六時より、春季彼岸会を奉修いたします。御塔婆建立を願われます方は、十五日頃迄にお申し込み下さい。
★二十六日(日)は、第一回宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念妙眞寺支部総登山を実施いたします。御開扉は午後十二時、総本山休憩坊集合は午前十時三十分となります。妙眞寺発着バスを御利用の方は、午前七時十五分出発と致しますので、午前七時までに妙眞寺に集合して下さい。なお、今後六月、七月、八月、十一月に同御登山を行います。百年に一度の宗祖日蓮大聖人御聖誕記念慶祝行事として、本年、五回に亘る総登山に一回でも多く御参加されますよう、御案内申し上げます。なお、添書登山でも指定日に参加可能ですので、総登山実施日に添書を願い出られ、御登山して頂きたく存じます。