新年を迎えて

 妙眞寺檀信徒の皆様には、令和四年『報恩躍進の年』の幕開けを清々しく迎えられ、心よりお慶び申し上げます。
 本年は、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の御恩徳に報恩感謝申し上げる為にも、その感謝の念をもっていよいよ信行の実践に励み、あらゆる面で躍進すべき年であります。しかしながら、今日の世情を拝すれば、新型コロナウイルスの蔓延、異常気象や天変地夭他、悲惨な事件事故が後を絶ちません。当然、こうした災難悪果の原因は邪宗謗法の害毒をはじめ、世の中の人々の三毒煩悩による五欲への執着をはじめとする、人心の荒廃によるものと拝すべきであります。
 よって私たちは、我意我見、自我に執着することなく、我執を破して、大聖人様の御意に適った信心を全うすべきであります。特に、毎月の御法主日如上人猊下の御指南を拝し、今為すべき大事を汲み取り、何よりも御本尊様からお褒め頂けるような信心に住した時、自ずと境涯が無限に開けてくるのであります。
 大聖人様は『十字御書』に、「今日本国の法華経をかたきとして、わざわいを千里の外よりまねき出だせり。此をもってをもうに、今又法華経を信ずる人はさいわいを万里の外よりあつむべし。影は体より生ずるもの、法華経をかたきとする人の国は、体にかげのそうがごとくわざわい来たるべし。法華経を信ずる人はせんだんにかをばしさのそなえたるがごとし」と仰せのように、私たちは幸福を万里の外より集むべく、また日々の弛まざる信心によって、朝な夕なに勤行唱題申し上げ、その功徳をもって平穏無事な毎日を送れることに感謝申し上げることも至極大事なことであります。
 世の中には様々な方々がおります。一つの財を成し、財産を継承して豊かな人生を送る方々、コロナ禍によって苦難を被っている方々、物事がなかなかうまく進まず困難を迎えている方々など、枚挙に暇がありませんが、それぞれ宿世の因縁によって平等にその果報を受けているわけですから、今後の未来の果報を善果へと転ずる為には、あらゆる諸難困難を克服して、かけがえのない尊い人生を構築するには、末法唯一無二の正法正義に帰依し、精進していくしかその方途はありません。ましてや、私たちも同様であり、生老病死の四苦の人生をいかに生きるか?
 人生には苦渋の決断を迫られる時、三障四魔の用きに心揺さぶられる時、過去世からの因縁宿習に悩まされる時もあろうかと存じますが、どこまでも御本尊様の仏力法力を確信し、御自身の信力行力を持って四力成就する時、必ず解決の道が開けてくるのが、大聖人様説くところの尊い慈悲の御教えであります。そこをしっかりと掴み取り、努力精進することが信心修行の醍醐味であり、功徳利益の現証を自らの生活に顕すことができるよう願って止みません。
 そして、更なる崇高な境界を目指して、万人から慕われ愛され信頼されるような人格を構築して、破邪顕正の信心に住し、大聖人様の御遺命たる広宣流布に向かって、微力なりともそのお手伝いをさせて頂くべく、勇猛果敢に折伏の実践を行うことが今もって肝要なことであります。
 どうか、本年も昨年同様コロナ禍に紛動されることなく、愈々強盛なる御信心に住し、総本山への御登山をはじめ、日頃の寺院参詣、寺院行事への御参加なされ、世情の動向にその身心が流されることなきよう、価値ある有意義な1年をお送り頂きたく存じます。