宗祖日蓮大聖人御会式を終えて

 本年度の宗祖日蓮大聖人御会式法要が、新型コロナ感染拡大のなか感染拡大防止ガイドラインに則り、先月24日(土)午後七時より御逮夜法要、25日(日)午前11時より御正當法要と、両日に亘って奉修申し上げました。2日間合わせて実に100名を超える参詣者のもと、本堂廊下や本堂控室も使用し、間隔を空けて設置した座席も満席になるほど、皆様にはコロナ禍での御参詣賜りましたこと、誠に有り難く存じます。

 特に25日の御正當法要には、東京第二布教区宗務支院長・日蓮正宗宗会議長で妙光寺御住職・土居崎日裕御尊能化、同副宗務支院長で宝浄寺御住職・舟橋日謙御尊能化をはじめ、組寺の各御住職、在勤御僧侶の御来臨を頂き、厳粛且つ盛大に奉修申し上げることができました。また、大願寺御住職・板東慈潮御尊師には、有り難き布教講演を賜りましたこと、参詣者一同今後の信心の資糧になりましたことと存じ上げます。

 さて、本年も残すところ2ヶ月となりました。現在、宗内全世界全僧俗によって、毎日2時間の「百日間唱題行」を実施しております。新型コロナウイルスの終熄も見えないなか、今私たちにできることは、仏さまの大慈大悲をもって世の中を平和安穏に変ずる為にも、唱題行が唱題行で終わらぬよう、その功徳利益を以て様々な諸難困難、コロナ禍によって様々な面において苦境に立たされている方など、世の中では悩み苦しんでいる方々を大聖人さまの正法正義に導き帰依せしめ、幸福安穏な生活を取り戻して頂くことが肝要であります。 

 総本山第67世日顕上人は、「すべての存在が常に幸福で安楽でいられることを願いつつ、より強く、より正しい命の実現に向かって進んでいくところに、人間として生まれた本当の意義が存すると思うのであります。(中略)自分はどのような意味からこの世に生まれ、どのような意義において自分の使命があるのか」ということを自覚すること、そしてその自覚の上から、さらにその使命をしっかりと遂行していくことが大切であります」と仰せであり、更に日顕上人は、「私自身も、大聖人様が戒められた、?慢、懈怠、計我、浅識、著欲、不解、不信、顰蹙、疑惑、誹謗、軽善、憎善、嫉善、恨善という十四誹謗について、常にお題目を唱えつつ、このことに陥らないように、そして皆様と共に本当に正しく大聖人様の仏法を修行させていただくことを祈っておるものであります。この心をもって真の妙法を持っていくことこそが最高の使命であり、また皆様方一人ひとりが大聖人様の南無妙法蓮華経を受けられたことがそのまま、本当に尊い使命の全部であるということをしっかりとお考えいただきたいと思います。そこに、あらゆる日常生活の使命の遂行も、真の幸せの顕現も存すると思うのであります」と御指南されております。

 その為には、今月の寺報にも掲載しましたが、まず自分自身が「喜びと安らぎと感動」に包まれた御境界になることが大事大切であります。それこそ、「心奮わす唱題行に万感の思いを込め 勇気と思いやりをすべての人に」との標語のもと、百日間唱題行に励み、尊い御境界の上から、ありとあらゆる方々に「喜びと安らぎと感動」をもたらすことができるよう、進んで折伏弘教に励んで頂きたく願います。

 どうか皆様方には、コロナ禍ではありますが、唱題行の功徳利益をもって尊い折伏の御縁を結び、皆様の尊い御一念によって、自然災害や様々な犯罪が後を絶たない世情の浄化矯正と新型コロナウイルスの早期終熄を願い、仏さまのお遣いとしての使命を全うすることができますよう、本年残すところの2ヶ月を有意義に過ごされ、年末に向け障魔の用きが活発になること必定ですが、どうか無事故無障礙にて大晦日をお迎えできますよう心よりお祈り申し上げます。