勤行について(平成30年11月)
【勤行とは】
勤行とは「勤めて善法(ぜんぽう)を行う」ということで、仏さまの前でお経を読み、礼拝(らいはい)することをいいます。
日蓮正宗では、毎日、朝の勤行は五座、夕は三座、御本尊さまに向かって、「法華経方便品第二」と「如来寿量品第十六」を読み、南無妙法蓮華経のお題目を唱えます。
これは日頃から私たちを見守って下さり、手を差し伸べて下さる御本尊さまに対し、報恩感謝(ほうおんかんしゃ)申し上げ、さらに南無妙法蓮華経の教えが世の中に弘まっていくように、広宣流布(こうせんるふ)の御祈念(ごきねん)をし、また自分の願いや目標を果たせるようにご祈念し、最後に先祖の供養を行います。
この勤行を毎日、朝起きて朝勤行(あさごんぎょう)を行い、夕方家に帰ってきたら夕勤行(ゆうごんぎょう)を行うことによって、生活の中にしっかりと取り入れ、幸せな毎日を送れるようにする為に行います。
また、出かける時は御本尊様にお題目を三唱し、「行ってまいります」、帰ってきたらお題目を三唱し、「ただいま帰りました」と、ご挨拶をすることも大切なことです。
【勤行実践の功徳(くどく)】
勤行は、いつでも自分の都合に合わせて1人で行うことができますが、自分自身がやる気を起こして実践しなければ、いつまでたってもできないでしょう。
お経も進んで練習しなければ読めないでしょう。
勤行は、すべての修行の根本であり、幸せな毎日の生活を送る原動力となる修行ですから、毎日欠かさず、しっかりと行うことが大切です。
いいかげんな勤行をしたり、なまけたりすると、毎日の生活のなかで一生懸命頑張っても、それが空回りしてしまいます。
また、なんとなく体調が悪かったり、自分の悪いクセが出てきてしまったり、何事もうまくいかない状況になってしまいます。
逆に毎日しっかり勤行を実践していると、次のような功徳を御本尊さまから頂けます。
① 御本尊さまの不思議なお力によって守られる
② 物事を正しく判断できる正しいを頂ける
③ 心も体もすっきりする
④ 勉強も生活も不思議とスムーズに進む
⑤ 難しいことや心配ごとも、自然と乗り越えることができる
といったことです。
これは、真剣な勤行の実践によって、御本尊さまが私たちに功徳を授けて下さり、やる気に満ち今日も頑張って行こうという気もちがえたり、毎日勤行を実践していくと、生活のなかに自然と不思議なすばらしい体験をしたり、自分の願いがかなったりと、御本尊さまを信ずる心が増えて、ますます頑張って実践して行こうという気もちがおきます。
【勤行の姿勢と仕方】
勤行をする時は、御本尊さまの前に正座して、お数珠を手にかけ、胸の前で手を合わせます。
この時、ひじを高く上げたりせず、自然な形で脇腹に両ひじをつけるようにしましょう。
お経を読むときはお経本をしっかりと読み、お経をまちがえないようにしましょう。
また、お題目を三唱する時や、お題目を唱えるときは、御本尊さま中央の「南無妙法蓮華経」の「妙」のお文字をします。
あと、お題目三唱は「南無妙法蓮華経」と二回続けて唱え、いったん区切って三回目の「南無妙法蓮華経」を唱えます。
[五座・三座の勤行]
始めにまず御本尊さまにお題目を三唱します。
○ 初座・初座は東の方角を向いて、お題目を三唱。
そして「方便品第二」と、「如来寿量品第十六」の「自我偈(じがげ)」の部分を読み、引き題目(ナーム、ミョーホーレーンゲーキョー)を3回します。
次にお題目を三唱して、御観念文を声を出さずに読み、お題目を三唱します。(初座は鈴を打ちません)
○ 二座・二座は御本尊さまに向き直って鈴を7回打ちます。
そして「方便品第二」を読み、鈴を1回「妙法蓮華経如来寿量品第十六、爾時仏告(にじぶつごう)」と読み始め、鈴を2回打って、すべてを読み、引き題目を3回して、鈴を5回打ちます。
そして、お題目を三唱して、二座の御観念文を声を出さずに読み、お題目を三唱して二座が終わります。
○ 三座~五座・三座は二座と同じく、鈴を7回打って「方便品第二」を読み鈴を1回、
「妙法蓮華経如来寿量品第十六、(ジーがーとくぶつらい)」と読み始め、鈴を2回打ちます。
その後は二座と同じように行います。四座も三座と同じくします。
そして、五座は「自我偈」の部分を読み終えたら、鈴を1回打ち、「南無妙法蓮華経~」とお題目を唱え始め、鈴を6回打ちます。
唱題の時間に決まりはありません。時間の許せる限り唱題しましょう。
唱題を終える時は、鈴を5回打ちます。
その後、お題目を三唱して、鈴を打ちながら五座の觀念文を声を出さずに読み、読み終わったら鈴を打ち終えます。
そして、お題目を三唱して、最後に「乃至法界平等利益(ないしほうかいびょうどうりやく)自他倶安同帰寂光(じたぐあんどうきじゃっこう)」と念じ、鈴を3回打って、お題目を三唱し、勤行が終了します。
朝は五座、夕は二座・三座・五座の三座を行います。
家のお仏壇に過去帳(かこちょう)がある場合は、五座の御観念文のあと、朝はその日のページ、夕は次の日のページを回向します。
やり方は、裏にのっています。
勤行は以上のように行いますが、勤行以外でもお題目を唱えたい時は唱題(しょうだい)、「方便品第二」と「如来寿量品第十六」の「自我偈」の部分を読んでから唱題しましょう。
お経をスラスラ読むことは簡単なことではありませんが、練習すればできるようになります。
また、すべて暗記したとしても間違えないように、できるだけお経本を見ながら勤行しましょう。
どうか、皆さんが1人で勤行できるように、頑張って下さい。