なぜ信仰は必要なのか? (平成31年1月)
世の中の人は、とくになにかを信仰するわけでもなく、家族や、友人・知人のお葬式や法事のためにお寺に行ったり、結婚式はキリスト敎の教会で行ったり、団体旅行をして全国各地の有名なお寺や神社にお参りしています。
また、お正月の初詣でや、受験、結婚、出産などの節目に、神社やお寺に参詣して、そこで購入したお守りなどを大事にしている人もいます。
さらに、最近は「パワースポット」などと呼ばれる場所に行けば、元気になったり幸せになれるといって、人々が行列を作っている様子もテレビで報道されています。
これらは、本来するべき正しい「信仰」を知らない人たちが、間違った情報に振り回されているすがたであるといえます。
世間の人は、何かにすがりたいと思いながら、どうすれば良いのかわからないので、「あの神社は御利益がある」などと聞くと、簡単に飛びついてしまいます。
信仰とは「信じ仰ぐ」と書くように、仏さまを信じ敬い、その教えを心のより所として仰ぐことをいいます。
「朱に交われば赤くなる」という言葉がありますが、人は尊敬する人、いつも行動を共にする人と接するうちに、考え方や行動などが自然とその人に似てくるものです。
信仰も、仏さまを尊敬して手を合わせて拝む行為ですから、深く信仰すればするほど、その仏さまの影響を強くうけることになります。
そして、信仰する仏さまや神さまが、人を幸福に導く力を備えていれば、信じる人もその影響を受け、仏さまの不思議な力を頂いて幸せな人生を送ることができます。
反対に、信仰する仏さまや神さまが人を救う力を持っていなければ、信仰する人も、乱暴な性格や、困難から逃げてしまう弱い人になるなど、みにくく弱い心になり、かえって不幸になってしまい、よけい悩み困ってしまいます。
世の中には、たくさんの宗教があります。
しかし間違った教え、宗教を信仰すると、幸せになるどころか不幸になってしまいます。
ですから、どんな宗教でも、お寺でも神社でも教会でも、ただ拝んでいれば良いことがある、信じれば良いことがおきるというものではなく、正しい仏さま、教え、御本尊さまを信仰しなければ、決して幸せにはなれないのです。
また、世間の人たちの中には、信仰をすることを否定し、自分には信仰する必要がないという人もいます。
しかし、病気やケガをして病院に行かない人はいるでしょうか?人は誰でも、人生において悩んだり困ったりすることがあります。
その時、自分自身では解決できないような大きなものであった時、どうすればいいでしょう。
また、仏さまは、人は必ず四苦八苦という苦しみを経験することを説かれています。
四苦八苦とは、
①生苦(しょうく)…生まれる苦しみ、
②老苦(ろうく)…老いる苦しみ、
③病苦(びょうく)…病気になる苦しみ、
④死苦(しく)…死ぬ苦しみの四苦と、
⑤愛別離苦(あいべつりく)…愛する人と別れる苦しみ、
⑥怨憎会苦(おんぞうえく)…嫌いな人と出会う苦しみ、
⑦求不得苦(ぐふとつく)…求めるものがを得ることができない苦しみ、
⑧五陰盛苦(ごおんじょうく)…身心を形成する五陰から生じる苦しみ
の八つの苦しみをいいます。
この四苦八苦に加えて、人生のなかでは不慮の事故や自然災害等にあって、困ったり苦しんだりすることがあります。
これらの苦しみを、自分の努力や信念で解決しようとしても、人の力だけで乗り越えることはとても大変なことです。
その解決方法を教え、本当の幸せに導いてくれる教えこそが正しい信仰であり、その教えこそが日蓮大聖人さまが説かれた南無妙法蓮華経の教えなのです。
私たちは、御本尊さまを信じて、毎日勤行や唱題をすると思います。
しっかりと行うことによって、どんな困難にも負けず乗り越える勇気と、幸せな人生、色々な問題を解決させる為に、御本尊さまから不思議な力を頂くことができます。
それによって、はじめて幸せな人生を築くことができるようになります。
また、日蓮大聖人さまは、人々を苦しみから救い、平和な国を実現するために、誤った宗教を厳しく指摘し、正しい仏法を信じるように、世の中に南無妙法蓮華経の教えを弘められました。
これを折伏(しゃくぶく)といいます。
この折伏を例えていうならば、たくさんの自動車が走っている道路に、誤って友だちが飛び出そうとしたら、皆さんはどうしますか?
きっと「あぶない!飛び出しちゃだめ~!」と言うことでしょう。
私たちの折伏も、これと同じです。
折伏は、不幸に向かって歩む人たちに、幸せな道を歩み幸せになれるよう正しい信仰を教えてあげる大切な行いです。
皆さんには大切な友だちや、色々な悩みを持っている友だちがいるでしょう。
また、これから大きな悩みを抱える友だちがいるかもしれません。
もしも、そうした友だちがいたならば、私がお参りしているお寺に行って、御本尊さまを信じて一緒に信仰してみようと、さそってあげましょう。
そして、「私たちが信仰している御本尊さまは、悩んだり困っていることを解決し、必ず幸せになることができ、立派な大人になることができる教えだよ。一緒にお寺に行ってみない?」と、さそうことができるように、頑張ってみましょう。
これは、大切な友だちがいたならば、その友だちを本当に大切に思い、一緒に幸せな毎日を送ることができるようになる行いです。
今年は、平成の時代が終わり、新しい年号になります。
ですから、皆さんも心機一転して、毎日しっかりと勤行・唱題に励んで、楽しいことが沢山あるように、困ったことが起きても、必ず解決することができるように頑張っていきましょう。