御報恩御講住職指導(令和7年12月)
本年も残すところあと半月となりました今、皆さんには本年を総括して反省すべき点を見出し、さらに明年への意気込みや目標を立てて輝かしい新春をお迎えして頂きたいと存じます。
少々本年を振り返ると、今月八日の東北地方の大地震や、全国各地でのゲリラ豪雨、山火事などの自然災害をはじめ、ありとあらゆる事件事故が起こると共に、日本初の女性首相誕生や二名のノーベル賞受賞、米国においてはメジャーリーグおいて、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希選手が所属するロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズ二連覇を果たし、大いに日本人ファンを沸かせました。また、最近のニュースによると、現在全国で不登校状況になっている小中学生が35万人、あらゆる理由で実の親のもとで暮らすことができず、里親のもとで生活している子供が4万人に及んでいるようであります。
このように、世間では喜びや悲しみ、楽しみや苦しみが入り交じり、さらに皆様方個人においても色々なことがあったと存じます。しかし、私たちはいつの時もどのようなことがあろうとも、それが耐えがたい苦しみや悲しみだとしても、自身の宿世の因縁宿習と鑑み立ち上がり進んで行かなければなりません。これは決して安易なことではありませんが、日頃から我が身に起こる善悪様々な果報に対し、一喜一憂することなく確固たる信念と信行の実践をもって、いざという時の為に身心の鍛錬をして行くことが肝要であります。
さて、明年は六十年に一度の丙午の年でありますが、丙とは「明るく活発な様子」を意味し、馬は古くから人間と共に生きてきた動物であり、駿足を持ち、独立心が強く、また人を助けてくれる存在から「勢いや力強さ、行動力」を意味します。そのため丙午の年は、「勢いとエネルギーに満ちて、活動的になる」、いわば、「勇躍前進」すべき年であるとされております。よって私たちはその意義をふまえ、丙午年に見合った「あらゆる人々を妙法の功徳力によって救うべく、馬車馬のように活発に精進すべき」1年を送ることが肝要であります。
再びアメリカメジャーリーグの話になりますが、ドジャースの山本由伸選手はワールドシリーズに向けた記者会見において、投手としての意気込みについて問われ、「何としても負けるわけにはいかない」との発言を、本来ならば「I can’t lose.」または、「I can’t afford to lose.」と翻訳すべきところを、日本人通訳の方が「Loosing isn’t an option.」、すなわち、「自分には負けるという選択肢はない」と通訳してしまい、アメリカ人からすれば「自分は負けるわけがない」との発言に変わってしまいました。結果的に山本選手はワールドシリーズ優勝の原動力として大活躍し、最優秀選手に選ばれる結果となり、現地では「有言実行の選手」として更に称賛される結果となりました。
ここで申し上げたいことは、私たちこそ日蓮正宗の僧俗として信行倍増して御本尊様の尊い御仏智を頂き、たとえ無理だと思えることであっても「達成しなけれないけない」のではなく、「必ず達成する、成就する」との強い思いをもって事に当たることが肝要であるということであります。つまり、皆様の世事においても折伏においても、漠然とした思いではなく、確固たる一念心をもって御本尊様にお題目を唱え尽くし願い祈っていくことが、結果はどうあれ必ずや皆様方の境涯が御本尊様の御徳によって大きく開かれ、思いもしない有り難い結果に繋がるものと確信して頂きたいということであります。
私たちはどうしても自分の物差しで物事を推し量ってみたり、我意我見による執着により、自分勝手な思いで日常生活を送りがちですが、末法唯一無二の大聖人様の正法正義の功徳利益をもってすれば、大聖人様が『経王殿御返事』に、「あひかまへて御信心を出だし此の御本尊に祈念せしめ給へ。何事か成就せざるべき」と御教示のごとく、その可能性は無限大であります。よって皆様には、明年『団結行動の年』を迎えるに当たり、午年の意義を踏まえつつ、より強盛に、より真剣に信行の実践行動に取り組み、元旦に誓うべき目標を必ずや成就すべく、決意新たに輝かしい新春をお迎え頂きたく願います。

