Take action(其の二)
Take action (其の二)
総本山第五十六世日応上人御著述の『一念三千法門』には、「かかる謗法充満の国土に生を受けつつも、今日、吾人らは正法正師に値い奉り、この甚深の秘妙たる一念三千の妙法を聴聞せし信持せんこと、三千年に一度花咲く優曇華、無量刧に値うなる一眼の亀の浮木に値うよりも難きことなり。しかるに、受け難き人界に生を得て、末法濁世に値い難きこの大法に値い、事の一念三千の南無妙法蓮華経を信受し奉ることは、生盲の初めて眼あき、父母等を見るよりもうれしく、強敵に捕らわれたる者の許されて妻子を見るよりも珍しく、実にその幸福、譬うるにものなし。ただ感泣して、報恩を謝し奉るのほかなきことなり」仰せであります。
故に、三千年に一度花咲く優曇華や一眼の亀の浮木に値うよりも、妙法を信受し難きことは申すまでもなく、我が身の福徳に歓喜し、より一層福徳増進して報恩謝徳していく為にも、信行倍増していくことが如何に大事なことであるか。ましてや、仏祖三宝尊への御恩徳に報いる為にも、仏法流布の流れそのままに、鎌倉時代に我が日本国に御出現遊ばされた末法の御本仏にして、その本地、久遠元初の御本仏たる宗祖日蓮大聖人様が、常に私たちの身口意三業による行業を御照覧遊ばされているからこそ、決して油断怠りなく精進の誠を尽くしていかねばならないことは、私たちの使命と責務であり一生成仏の境界を得るべき要諦であります。
そして大聖人様は『兵衛志殿御返事』に、「いかなる事ありとも、すこしもたゆむ事なかれ(乃至)たとい命に及ぶとも、すこしもひるむ事なかれ」と仰せであります。私たちの信行実践の日々には、信仰が深まるが故にあらゆる障魔の用きであったり、我が身のなかから生ずる障礙の用きにより、思いも寄らない苦悩が生ずることもあります。それが自然災害の被災であったり、病魔であったり、経済苦であったり、乗り越えなければならない何かしらの障壁が立ちはだかることがあるかもしれません。しかし、それに屈したり怯むならば、一生成仏の道は閉ざされしまい、せっかくの福徳も失うこととなります。よって、大聖人様が『弥源太殿御返事』に、「日蓮法華経の文の如くならば通塞の案内者なり。只一心に信心おはして霊山を期し給へ。ぜにと云ふものは用にしたがって変ずるなり。法華経も亦復是くの如し。やみには灯となり、渡りには舟となり、或は水ともなり、或は火ともなり給ふなり。若し然らば法華経は現世安隠・後生善処の御経なり」との御金言を固く信じ抜き、たとえ今後も山あり谷あり、思わぬ落とし穴があったとしても、ただ一心に御本尊様を信じ抜き、有り難き御仏智を確信して行けば何も恐れることはありません。
以前、妙眞寺に参詣されていた福島県の法華寺支部女子部の方は、縁あって石川県七尾市の是生寺御住職のもとへと嫁がれました。御長男にも恵まれ、正にこれからという時の昨年1月1日、能登半島大地震に被災され、境内には大きな被災の爪痕が残されました。幸いにも電気やガスは早期に復旧したものの、断水状態の復旧は目途が立たない状況が続いていました。連絡がついたので現時点で必要な物をお聞きし、ホームセンターで簡易食器や除菌用品等、出来うる限りの用品を取り揃えて宅急便でお送りしました。その荷物も1月14日の御報恩御講奉修日の午前中に到着したのですが、不思議にも御講奉修時間の1時間半前に、突如七尾市内でも是生寺の周辺のみ水道が復旧し、トイレも使用できるようになり、お送りした荷物の中でも簡易食器等はほぼ必要無くなり、御講に参詣された御信徒方により多く配布することができたとのことです。
その後の復興活動は筆舌に尽くし難いものであったでしょうが、先月御次男が誕生されたとのことで、是生寺へとお祝いに参った際、大聖人様の「わざはひも転じて幸ひとなるべし。あひかまへて御信心を出だし此の御本尊に祈念せしめ給へ。何事か成就せざるべき」との御金言の如く、大地震によって被災した箇所もほぼ修繕され、さらに境内も綺麗に整備されており、御住職夫妻をはじめ御信徒の皆様の並々ならぬ尊い御信心の姿が、わずか1年半余りの期間で是生寺復興の形として現れたものと感嘆した次第であります。
東京第二布教区管内でも、以前伊豆大島の妙安寺様が大雨による土石流の災害に被災され、命がけで本堂の御本尊様を護られ、家族を守られ、その後は仮説住宅に住まわれながら仮事務所にて宗教活動が行われ、平行して境内の解体や新築事業という、非常に大変な姿を目の当たりにしており、5年間の歳月をかけて境内を整備され、本堂庫裡を新築された際は感慨無量であったことと存じ上げます。 突如として起こる自然災害に対し、その想像を絶する破壊力には太刀打ちできないほど、人として無力さを感じるものであると思います。近年、日本列島を襲う大地震と大津波、大型台風や線状降水帯による災害は、多くの尊い人命を奪い財産を奪い、一瞬にして人々を苦悩のドン底へと突き落としてしまいます。こればかりは、本当に日本全国の人々が常に紙一重の状況にあると思います。
よって、邪宗謗法の害毒や日々悪化する人心の荒廃により、依正不二の原理によって起こるこうした災害が日々頻発している今、大聖人様が『開目抄』に、「我並びに我が弟子、諸難ありとも疑ふ心なくば、自然に仏界にいたるべし。天の加護なき事を疑はざれ。現世の安穏ならざる事をなげかざれ。我が弟子に朝夕教へしかども、疑ひををこして皆すてけん。つたなき者のならひは、約束せし事を、まことの時はわするゝなるべし」との御教示を拝し、御本尊様への絶対なる確信と、ただ一心にお題目にお題目を重ね積功累徳して、荒れ狂う世情の浄化矯正と、自身の一生成仏とあらゆる悪縁を絶ちきるべき罪障消滅宿業打開の為にも、日々メディアで報道されている天災・人災を決して他人事と思わず、その姿を憂慮していよいよ自行化他の信行に精進して頂きたいと存じます。(つづく)

