御会式(令和6年10月)

御会式(おえしき)

令和6年10月 若葉会御講

 今月の26日(土)と27日(日)は、妙眞寺で宗祖日蓮大聖人御会式法要が奉(ほう)修(しゆう)されます。この御会式は10月から11月にかけて、日本全国、海外のお寺でも必ず行われています。今月は19日(土)には御会式大掃除、24日(木)の夕勤行のあとに、お花飾りをしますので、時間のある子たちは手伝ってください。
 27日の御会式御正當(ごしようとう)法要では、住職さんが献(けん)膳(ぜん)をしたあと、お経が始まります。そして、長(ちよう)行(ぎよう)の「而(に)説(せつ)偈(げ)言(ごん)」のところで、いったんお経が止まります。そして、最初に日有(う)上(しよう)人(にん)さまの申(もうし)状(じよう)が拝(はい)読(どく)され、次に住職さんが『立(りつ)正(しよう)安(あん)国(こく)論(ろん)』を拝読します。その後、日(にち)蓮(れん)大(だい)聖(しよう)人(にん)さま、日(につ)興(こう)上(しよう)人(にん)さま、日(にち)目(もく)上(しよう)人(にん)さま、日(にち)道(どう)上(しよう)人(にん)さま、日(にち)行(ぎよう)上(しよう)人(にん)さまの申状が各(かく)御(ご)住(じゆう)職(しよく)さまによって拝読され、自(じ)我(が)偈(げ)のお経と唱題をし、最後にお題目を三唱して御会式の法要は終わります。そして最後に、他の御住職さまの御(ご)法(ほう)話(わ)があり、お花くずしをして御会式法要のすべてが終わります。

 大聖人さまがお書きになられた『立正安国論』や、日蓮大聖人さまから日有上人さまの申状が捧(ほう)読(どく)されますが、皆さんは聞いていて難(むずか)しく感じると思います。日蓮大聖人さまが南無妙法蓮華経の教えを弘めていた鎌倉時代は、最近の日本や世界各国と同じように、大地震や大雨、台風などの自然災害が何度も日本をおそい、お米や野菜が育たず、当時の人々は食べ物が無くなってしまいました。そのため、人々は栄(えい)養(よう)不(ぶ)足(そく)となり色々な病気が流(りゆう)行(こう)して多くの人たちが亡くなりました。その様子を見て、日蓮大聖人さまは、この後さらに国内で戦いが起こったり、外国から攻められたりすることをご存じでした。
 そこで大聖人さまは、『立正安国論』をお書きになられ、「様々な災(わざわ)いが起こる原因は、日本の多くの人たちが、間違った教えを自分勝手に信じていることにある。このままでは人々の心も世の中も良くならないし、誤った教えをなくし、正しい教えである南無妙法蓮華経を信じて、お題目を唱えていきなさい」と、今で言う総(そう)理(り)大(だい)臣(じん)のような国を治める人たちに読んでもらうよう渡され、日本の国が少しでも良くなるようにされました。
 この大聖人さまのお姿を、後を継がれた第二祖日興上人さまをはじめ、代々の御(ご)法(ほつ)主(す)上(しよう)人(にん)猊(げい)下(か)さまが受けつがれ、申状を書かれて大聖人さまの『立正安国論』と一緒に、その時代の権力者に渡されたのです。これを「国(こつ)家(か)諫(かん)暁(ぎよう)」や「国主諫暁(こくしゆかんぎよう)」といいます。ようするに、日蓮大聖人さまが説かれた南無妙法蓮華経の教えは、唯(ゆい)一(いつ)、世の中の人々を幸福にしてくださる御(ご)本(ほん)仏(ぶつ)さまであることを明らかにされその教えを信じるように代(だい)々(だい)の御法主上人猊下さまは申状を書かれて、時の権力者に渡されました。
 御会式では、それぞれの申状が捧読されるたびに、みんなでお題目を三(さん)唱(しよう)しますが、これは私たちも御法主上人猊下さまとともに、世の中が少しでも良くなるように、1人でも多くの人が南無妙法蓮華経の教えを信じて幸せになるように折(しやく)伏(ぶく)していくことを頑(がん)張(は)っていきますと、御(ご)本(ほん)尊(ぞん)さまに申し上げていることを顕しています。
 この御会式は、日蓮大聖人さまがお亡くなりになられ、それからは私たちの見えないところで私たちを見守ってくださることをお祝いし、報(ほう)恩(おん)感(かん)謝(しや)する大切な法要です。1年のうち、1番大切なお寺の行事ですから、昔から「いつもお寺に参(さん)詣(けい)していたとしても、御会式に参詣しない者は日蓮正宗の信徒ではない」と言われてきました。皆さんもよく覚えていてください。また、大人になっても忘れないようにしてください。
 また、御会式の時に、御宝前にお花を飾りますが、これは日蓮大聖人さまが亡くなられた時、季節は秋でしたが地震が起きたように大地が振(しん)動(どう)して、お亡くなりになった家の桜の花が突然咲き出したことをなぞらえて、お花作りをして御宝前に飾ります。今も大聖人さまは私たちを見守ってくださり、大聖人さまの教えを信じて毎日、勤行を行いお題目を唱え折伏する人には、不思議なご褒(ほう)美(び)をいただけたり、悩んだり困ったりしていることを解決することができます。そうしたことは人それぞれですが、私たちはいつの時も大聖人さまが見守ってくださることに感謝し、その期待にこたえることができるように、学校の勉強や習い事と同じく、毎日信心修行に頑張っていきましょう。
 今、世の中では自然災害や色々な事件が起きています。皆さんは、いつどこで起こるかわかりませんからこそ、そうしたことに巻き込まれないように、お父さんやお母さんと一緒に、お寺や本山に登山して、毎日勤行や唱題を行い、できればお友達をお寺に連れてきて、一緒に信心できるように頑張っていきましょう。