御報恩御講住職指導(令和7年1月)
令和七年が幕開けして十日余りが過ぎました。皆さんは何か自分自身に課した課題や目標を一年間継続して行うことを定めて励まれているでしょうか。大聖人様は『諸法実相抄』に、「日蓮を供養し、又日蓮が弟子檀那となり給ふ事、其の功徳をば仏の智慧にてもはかり尽くし給ふべからず」と仰せになられておりますように、とにかく人として生を受け巡り値い難き正法正義に縁することができた私たちは、仏様の智慧をもってもはかりがたい、尊い功徳をもって今生現世を迎えることができた有り難さを、よくよく肝に銘じて日々お過ごし頂きたく存じます。
さて本年も恒例の箱根駅伝が開催され、青山学院大学が総合区間新記録を打ち立て、総合二連覇を果たしました。御法主日如上人猊下の御尊父であり師匠でもある観妙院日慈上人(早瀬日慈御尊能化)は、日本大学の代表として三回出場され、特に昭和四年の第十回大会では、九区を走り同大会区間一位の記録を残されております。
この箱根駅伝では実に様々なドラマや人間模様が映し出され、たとえば大学界ナンバーワンの呼び声高い選手が、本領を発揮出来ずにまさかの低調な結果で終わってしまったり、高校生時代は全くの無名選手が一年生ながら出場して、圧倒的な区間新記録を打ち出しその名を日本中に知らしめたり、更に箱根駅伝に出場する選手は皆、大会に合わせて日々錬磨しているのですが、練習中にケガをしたり疲労骨折など練習過多により故障して、結局大会に出場すらできずに悔しい思いをして終わるといった姿を見るにつけ、いざ本番に練習の成果を十二分に発揮することの難しさや、逆に結果として周囲を驚かせるような選手、周りの期待に応える選手など、あらゆる結果がテレビにて放映され、数々の感銘を受けると共にやるせない思いに駆られる選手の姿が垣間見えます。しかし、そこで一喜一憂することなく、選手方には今後の資糧にして今後も頑張って頂きたいと願うところであります。
このように世の中では〝奇跡〟と言われるような結果をもたらす方もいれば、必死に努力してもその努力が実らない方、報われない方も沢山いらっしゃいます。そうした因縁果報のなかで、御本尊様は人智を超越した不可思議偉大なる御仏智を私たちに与えて下さいます。それも偏に皆様方の日頃の信行の実践如何によって、千差万別それぞれ自分自身にみあった尊い果報に導いて下さるのであります。そしてまた、皆様の信心次第で世間の悪縁悪知識から遠離するか否か、不幸な因縁を断ち切ることができるか否か、魔を魔と見破れるか否か、そうした徳が我が命に自ずと備わって行きます。どうか皆様には、年頭に申し上げましたように巳年の本年、毎日の生活において一皮むけた信心の姿、一つの決意と覚悟をもって、現当二世に亘る福徳増進と一生成仏の境涯を構築し、昨年よりもより一層充実した日々を送られますよう、更に今年こそは一人以上の方を折伏することができるよう、いよいよの御精進を御宝前にお誓い申し上げ、御精進の誠を尽くして頂きたく存じます。