新年の御挨拶

新 年 の 挨 拶

住職 平山信憲 

 妙眞寺檀信徒の皆様には清々しく新年を迎えられ、謹んでお慶び申し上げます。
 本年、令和七年は『活動充実の年』と銘打たれており、御法主日如上人猊下は『大白法』の「新年の辞」において、「本年『活動充実の年』は、全国の法華講中が仏祖三宝尊への御報恩のもと、講中の総力を結集し、強力な体勢を構築して活動の充実をはかり、勇猛果敢に折伏を実践し、以って一天広布を目指して、大きく前進すべき誠に大事な年であります」と御指南遊ばされております。私たち日蓮正宗の僧俗は、この御指南に沿い奉ることができるような信行の実践を、元日より行じていくことが肝要であります。
 特に本年は巳年であり、その中でも六十年に一度巡ってくる『乙巳(きのとみ)』という干支の年であります。その意味を少々拝しますと、乙(きのと)は木を、巳(み)は蛇を意味し、木が蛇を包み込むようなイメージから、成長や発展を象徴すると考えられております。そもそも巳年は蛇が脱皮をして新たな姿を現すことから、新しいスタートや再生する象徴とされ、また蛇の特性である柔軟性や適応力、洞察力を活かし、新たな変化や挑戦に対して、柔軟に対応することが重要とされております。よって、この干支に相応しい一年を意識して行動することが、また一つ大事なこととなります。
 現在緑ヶ丘小学校六年生の長男が、一昨年の目黒区立小学校連合音楽会において、『地球星歌(ちきゆうせいか)』という歌を合唱しました。その合唱曲の歌詞の最後に、「あなたの毎日が 世界を創(つく)り 愛する想いが 地球へと広がる 私は祈る 明日のために まだ見ぬ
あなたの笑顔のために いつの日が出会う その日のために」とあります。この合唱を聴いた時、私たちの信心とはこの歌詞をそのまま現実にするべきものである、その使命と責務が私たちにあると感じたところであります。
 すなわち私たちの日々の自行化他に亘る信心によって、世界を変えていくために世情の浄化矯正を図っていくこと。その為には慈愛に満ちた自利利他の尊い一念心をもって、折伏を願い祈り行じていくこと。そして、ありとあるゆる方々が、笑顔に満ち満ちた毎日を送れるように、縁する全ての人に、今後出会うであろう全ての人に下種血縁し折伏して行くことを、日本のみならず全世界の法華講衆が、今こそ全力を傾注して行ずべき最も大切なことと思います。
 要するに世の中には、邪宗謗法の害毒に苦しまれている方、必死になって努力に努力を重ねても、その労苦が報われない方、突如として大きな不幸に苛まれ、なかなか立ち上がれない方、生来の宿業により苦しまれている方が沢山おられます。そうした方々を幸福なる人生に導いて行くことこそが我らの使命であります。
 本年も世情の混乱はその度を増して行き、あらゆる感染症が猛威を奮い、天変地夭ともいうべき自然災害が打ち続き、世界のどこかで戦乱が巻き起こるかもしれませんが、兎に角私たち令和の法華講衆は、宗祖日蓮大聖人様が遺された広宣流布という壮大なる目標を成就する為にも、世の中がどのような様相を呈しようが、怖じず恐れず勇猛果敢に今成すべきことをしっかりと行って、世界の平和安穏と、自身の現世安穏後生善処を信行倍増福徳増進して願って頂くことが非常に重要なことであります。
 その為にはまず自分自身が本年、新たなる決意と志を立てて日々行動していく大事を銘記し、大きな障碍もなく安穏なる日々を送れることに対して決して油断怠り無く、仏祖三宝尊様へ感謝申し上げ、いつ何時競い起こるかわからない障魔の用きに備え、福徳増進すべく『活動充実の年』に見合った一層の信行実践に励んで頂きたく願います。
 どうか皆様にはその意とするところをお汲み頂き、有意義な日々を送られ、実りある一年をお過ごし頂きますよう心よりお祈り申し上げ、年頭に当たり新年の挨拶とさせて頂きます。

令和7年元朝勤行より

令和7年元旦勤行 午前10時