本年最後の鼓笛隊練習を終えて
本年8月のお披露目演奏会をもって中学3年生の隊員が卒隊し、9月より中学2年生の広説寺支部・阿部優季子さんがメジャー・新隊長となり、東京第二地方部鼓笛隊の新体制の活動が始まりました。小学2年生をはじめとする新隊員も入隊し、月2回、大宣寺様を練習会場としてお借りし練習を行っております。
コロナ禍前最後の令和元年度全国鼓笛隊コンクールを経験した中学2年生が最上級生となり、現在は2月の東京第二地方部総会をはじめ、5月の少年部広布推進会、8月の広布推進会、そしてお披露目演奏会にて、日頃の鼓笛隊活動の成果を披露する場を設けて頂いておりますが、やはり総本山大石寺にて御法主日如上人猊下御臨席のもと、全国の鼓笛隊が一堂に会して開催される、全国鼓笛隊コンクールの再開を願うばかりであります。
この鼓笛隊活動は単なる演奏活動ではなく、あくまでも信心錬磨の一環として行われており、各支部少年部も様々な小学校の生徒が日頃所属寺院に参詣しておりますが、鼓笛隊は更に東京第二地方部各支部の中から、小学3年生から中学3年生を対象として、現在40名弱の子供たちが活動しております。かつて御先師日顯上人は鼓笛隊活動について、「立派な演奏を通じて人格の錬磨、信心の向上に資していただきたいと思います」と御指南されております。
我が子も中学2年生の長女と小学3年生の次女が隊員として活動しておりますが、練習会場である大宣寺様や廣妙寺様まで、車でも電車でも片道1時間半以上かかり、交通費もそれなりの費用がかかります。しかし、鼓笛隊活動を通じて得るものは、決してお金には代え難い尊い経験と信心の向上、人としての成長、各支部の隊員との信心の絆を深めることができ、これは一人の信仰者として一生の宝になるとつくづく感じております。実際、我が子の鼓笛隊入隊前と入隊後の、勤行や唱題の姿勢や取り組みの変化には驚かされるものがあります。
12月21日、本年最後の練習の帰りの会にて、隊長の阿部さんは、「家で鼓笛の練習を行う時は、まず5分でも10分でも良いから唱題してから行ってほしい。唱題してから練習をすると練習への取り組みも変わってくる。そして朝夕の勤行も怠らずしっかり行ってほしい」との話がありました。このような立派な信心の姿を先輩から受け継ぎ後輩に伝える姿を見た時、日顯上人の御意に適った立派な鼓笛隊活動を行っていると、改めて感じたところであります。
また、同じく帰りの会にて大修寺支部の大森鼓笛隊責任者は、「子供逹が使用する平仮名経本の最初の頁に、『勤行について』とあり、『私たちにとって勤行は、すべての生活の根本と言われています。もし、時計にぜんまいがなければ動きません。勤行は、私たちの生活のぜんまいと同じです。御本尊に向かって、勤行することによって、御本尊と同じ、力強い生命を、私たち自身のなかから、湧き出させることができるのです。次のことを守って、正しく勤行をしましょう。一、朝の勤行は、一日の力強い出発です。一日が立派に過ごせるように祈りましょう。二、夜の勤行は、一日無事に過ごせた感謝と反省をし、明日はもっと立派に過ごせるように祈りましょう。三、きちんとした信心は、勤行の声の響きに現れてきます。経文を正しく、はっきり読みましょう。四、お題目は、御本尊をしっかりみつめて、はっきりした声であげましょう。五、お題目をあげるとき、手をだいたい胸のところで、きちんと合わせましょう。(原文はすべて平仮名)』と書かれています。このことを毎日しっかりと実践してほしい」との話がありました。
こうした基本中の基本、根本中の根本を疎かにすることなく、勤行・唱題の意味や姿勢を意識して行う大切さを学ぶことは、子供たちばかりのことだけではありません。僧侶であっても長年信心を行っている方々にとっても、決してお座なりで、いい加減な姿勢であってはならない大変重要なことであるからこそ、今一度自身の姿を省みて頂きたく存じます。
本年も年の瀬を迎えた今、どうか皆様方には明年『活動充実の年』の新春に向け、新たなる決意を胸に心機一転して、自身の信心の姿がそのまま毎日の生活面に現れてくることを鑑みつつ、いよいよ御精進の誠を尽くして頂きたいと心より念願いたします。