総本山御大会法要を終えて
11月20日、21日の両日に亘り、総本山大石寺にて宗祖日蓮大聖人御大会法要が奉修され、今回有り難くも東京第二布教区を代表して出仕させて頂くことができました。
当法要は、1日目の奉安堂での御開扉から始まり、雨天のためお練り行列は中止になりましたが、夕刻、出仕太鼓が鳴り響くなか、御影堂に御法主日如上人猊下が御出仕遊ばされ、『法華経如来寿量品』の甚深なる御説法を拝聴させて頂きました。特にその中で、「今日、世情が混沌している第一の原因は、正法弘通が滞っているからである。今こそ、世情の浄化矯正の為にこそ折伏弘教に励まなければならない(取意)」との御指南があり、改めて「闇バイトや兵庫県知事選挙の混乱、その他自然災害や交通事故の災禍」が打ち続き、混乱の極みを見せているいま、本年残すところ一ヶ月少々、また明年『活動充実の年』に向けて、改めて利他の志高く勇猛果敢なる信行実践を尽くすべく決意を申し上げた次第であります。
2日目の御影堂において奉修されました『申状捧読』の儀に参列させて頂いたのち、正午前に下山し午後2時過ぎに自坊へと戻り、夕刻、御大会登山に参加されたオーストラリアの御信徒5名が夕勤行に参詣されました。私自身、歓喜溢れる思いで夕勤行に臨んだところ、オーストラリアメンバーの、読経の声高らかにして真剣なる姿に更なる感動を覚えたところであります。夕勤行後、御大会御登山の歓喜に満ち溢れたオーストラリアのメンバーと雑談しながら、「今晩大井町のホテルに宿泊するので、ホテルから近い妙眞寺まで参詣して夕勤行に参加しよう」ということで、「宗務院海外部の方には心配されたが、住職が英語で話してくれて良かった」とお喜びになられて、笑み溢れるなか妙眞寺を後にされました。
大聖人様は『報恩抄』に、「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超へ、竜樹・迦葉にもすぐれたり。極楽百年の修行は穢土の一日の功に及ばず。正像二千年の弘通は末法の一時に劣るか。是はひとへに日蓮が智のかしこきにはあらず、時のしからしむるのみ。春は花さき秋は菓なる、夏はあたヽかに冬はつめたし。時のしからしむるに有らずや」と仰せにように、末法濁悪の時代になりインドから中国へ、そして朝鮮半島より日本に伝来した仏法は、末法下種の御本仏様として日本国に御出現遊ばされた宗祖日蓮大聖人様が末法に流布すべき妙法の御教えお説き遊ばされ、三大秘法と出世の本懐として本門戒壇の大御本尊様御図顕遊ばされ、そして下種仏法西漸の様相を呈し、世界各国あらゆる国と地域に弘まり、欧米や東南アジア諸国、中南米やアフリカ・ガーナの法華寺等、多くの寺院が建立されており、私自身も二十数年前にアメリカ・シカゴの妙行寺に在勤させて頂きましたが、オーストラリアにはまだ寺院が建立されておらず、「私たちの指導教師は海外部の芝頂恩御尊師なので、常灯坊の所属の法華講員でよいのかな」との言葉を聞いた時、失礼乍ら少々不憫な思いを致しましたが、今後オーストラリアの広布が進めば自ずと寺院も建立されることと心より願っております。
今回、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人様の御魂魄が、本門戒壇の大御本尊様として、かつまたその御内証が唯授一人の血脈相伝により、未来永劫にわたり衆生を利益する三世常住滅不滅の徳相を寿ぎ奉る御大会法要を終えた佳き日に、このような出会いや尊い経験をさせて頂いたのも、偏に今回の御大会登山の功徳の力用と拝し奉り、残す日々を勇猛果敢且つ報恩感謝の念を持って、妙眞寺法華講員の皆様と共に愈々精進の誠を尽くして参りたいと存じます。