暑中お見舞い申し上げます

 宗祖日蓮大聖人様は『義浄房御書』に「法華経の功徳と申すは唯仏与仏の境界、十方分身の智慧も及ぶか及ばざるかの内証なり。されば天台大師も妙の一字をば、妙とは妙は不可思議に名づくと釈し給ひて候」と仰せになられております。
 私たちが信行の実践に励む中、御本尊様からの功徳利益、尊い御仏智を賜り、皆様の実生活にその果報として有り難い現証が顕れてくることも少なくないと思います。
 それが大病を患い余命幾ばくもないと医師より告知を受けたとしても決して諦めることなく、大聖人様が『法華題目抄』に「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがへる義なり」と仰せのように、医師を驚歎させるさせるような病魔の克服をすることができたり、八法塞がりとなった困難を極める状況に陥った時、大聖人様が『弥源太殿御返事』に「日蓮法華経の文の如くならば通塞の案内者なり。只一心に信心おはして霊山を期し給へ」との御金言そのままに、御本尊様の仏力法力をもってして、あらゆる障礙を排除することができた等、大聖人様が「能く能く諸天にいのり申すべし。信心にあかなくして所願を成就し給へ」と、皆様が油断怠りなく強盛なる信力行力に励み、いつしかその功徳が極まった時、ありとあらゆる所願成就を成し遂げていくのであるとの御教示であります。
 世の中、仏教各派、新興宗教をはじめ、あらゆる宗教が数多存するなかで、唯一無二の正しい教えとは必ず具体的な修行の実践とその果報が説かれているはずであります。そして、正しい仏道修行の在り方が、何を目的としその内容と理由も明確で理路整然としたものでなければ、信ずるに値しないのは当然のこと逆に誤ったいかがわしい宗教であれば、その邪法邪義の害毒によって、幸福な人生になるどころか、寧ろ苦しみの人生に没落してしまう結果となってしまいます。
 そもそも私たち日蓮正宗の信仰において、大聖人様は決して困った時の云云ではなく、また葬儀や法事ばかりの為でもなく、いかに有意義で正しく尊い人生を送るかが説かれており、それは人として生を受けたその時から、臨終の夕べを迎えるまで、更に未来世に向かって、一生成仏という磐石なる幸福の礎を築いて行くことが肝要であります。
 よって、この信心はより早く、より長く、より真剣に行じていくところに、御本尊様の御仏智を賜りつつ、有り難き功徳利益が生じて、些かの杞憂もない自信に満ち溢れた日々の生活を送ることができるようになるのであります。
 さて、7月末には2日間に亘って、小学生3名の御授戒が妙眞寺本堂において行われました。1日目は他支部の御家族のお子さん2名の御授戒でしたが、我が子が通う小学校の生徒方でした。全校生徒200名少々ほどの小学校には、我が子2名を含め3名の日蓮正宗信徒が在籍しておりましたが、今回の御授戒によって5名となりました。支部は違えど同じ小学校に法華講衆の友人や家族が増えるということは、地域広布に向かって素晴らしい姿であると拝します。

 更にその翌日には、先に御授戒を受けられていたお母様と共に、静岡県清水区在住の小学6年生のお子さんが妙眞寺に参詣し御授戒を受けられました。また、その3日後には少年部大会登山参加者と共に初登山され、晴れて御開扉に参加することができました。
 酷暑極まる7月末に、このような喜ばしい出来事があり、妙眞寺支部はもともと乳幼児から小中高生をはじめ、学生さんや二十代前半の方々が多く、これからも青年部長、少年部長さんをはじめ、支部を挙げて若年層の子供たちを正道へ導くべく、手取り足取り引っ張って頂き大きく前進して頂きたいと、切に念願いたす次第であります。また、法統相続という観点からも、こうしたことは各親御様方の深信なる信心の顕れであり、家族揃って一家和楽の信心を築くことは、そのまま家族内における異体同心の確立、穏やかにして親密なる家族関係と、その隆昌発展へ繋がって行くと思います。どうか家族がワンチームとして、日々の信行実践を基軸として、互いに境界を高め合い救い合い励まし合い、家族となった因縁宿習を深く感じて頂き、子孫代々に亘る繁栄長久の大願を成就して頂きたいと存じます。
 本年も残すところ5ヶ月余り、今月来月はお盆お彼岸の時期となり、大聖人様が「いかにもいかにも追善供養を心のをよぶほどはげみ給ふべし」と仰せのように、先祖菩提への報恩感謝の追善供養を余すところなく行じて頂き、いざ10月末の宗祖日蓮大聖人御会式法要に向かい、迫り来たる万難障礙を排除し、厳しい残暑を乗り越え心地よい秋涼の季節をお迎え頂けるよう、より一層強盛なる自行化他の御精進を心よりお祈り申し上げます。