一如 令和5年9月号
住 職 よ り
本年も九月となり残すところ四ヶ月となりましたが、未だ残暑厳しい日々が続いております。本年も大型台風や線状降水帯によって、全国各地を風水害が襲い、多くの方々がその被害を被り、尚且つ農作物などへの影響も顕著となっております。更にまた、物価高騰、新型コロナウイルスに加え、様々な感染症が流行しつつ、日々酷暑による熱中症に倒れる方も少なくありません。
そうした日常のなか、改めて宗祖日蓮大聖人様の御指南を拝せば『松野殿御返事』に、「法華経に云はく「三界は安きこと無し、猶(なお)火宅の如し。衆苦充満して甚だ怖畏(ふい)すべし」等云云。此等(これら)の経文は我等(われら)が慈父大覚世尊(だいがくせそん)、末代の凡夫をいさめ給ひ、いとけなき子どもをさし驚かし給(たま)へる経文なり」と御教示され、そもそも今生現世に生を受けた以上、ありとあらゆる苦悩が充満して渦巻く世の中を、仏さまが仰せの如く、あらゆる諸難困難に信力行力をもって相対峙(あいたいじ)し、あらゆる苦悩に巻き込まれ、呑み込まれることがないように、御本尊様から享受された仏力法力をもって断固として正しく向き合い、更に大聖人様説くところの正法正義を弘め伝えていくことが肝要であると拝します。
龍ノ口御法難会を迎えた今月、私達は宿世の因縁のもと、宗祖日蓮大聖人様御聖誕の国たる日本国に人として生を受け、巡り逢い難き正法正義に縁することができた使命と責務と感謝をもって、どこまでも素直に正直に、弛まざる純粋な信行の実践を貫き通して頂きたいと願います。
そして、たとえ三障四魔や自身の宿世の因縁果報によって、様々な障礙の用きが競い起きようとも、大聖人様が命にも及ばんとする数々の法難にも、決して命を惜しむことなく毅然として立ち向かい、末法の御本仏様としての出世の本懐を果たされ御入滅遊ばされたお姿を偲び奉り、血脈付法の御歴代御法主上人のもと、今日に至るまで七百数十星霜に亘り、先師先達方があらゆる苦難困難を乗り越え、ただ只管(ひたすら)、愛宗護法の精神を持って憂国の志士となり、不撓(ふとう)不屈の精進を継承されてきたように、私たち令和の法華講衆も、今こそ我が国を浄化矯正、平和仏国土と化し、次世代の子供たちが平和安穏にして、清らかなる人生を歩むことができるよう、更にその良き清気清風を全世界へと及ぼせるよう、より一層境界高く志を立て、今成すべき大事を心得、益々御精進の誠を尽くして頂きたいと念願いたします。
御法主日如上人猊下御言葉
そもそも、本宗寺院はそれぞれの地域における弘通の法城として建立されるものでありますが、その役割を果たしていくためには、僧俗一致・異体同心の団結がまことに大事であります。
されば、大聖人様は『生死一大事血脈抄』に、「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此(じたひし)の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなり、然(しか)も今日蓮が弘通する処の所詮是(これ)なり。若し然らば広宣流布の大願も叶(かな)ふべき者か。剰(あまつさ)へ日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば、例せば城者として城を破るが如し」と仰せられ、妙法広布の戦いにおいて、いかに異体同心の団結が大事であるかを御教示あそばされているのであります。
特に、今日の如き、新型コロナウイルス感染症やウクライナ問題など、末法濁悪の世相そのままに、国内外ともに騒然とした様相を呈している時、まさにかくなる時こそ、私どもは、一人ひとりがこの難局を乗り越えていくために『立正安国論』の御聖意を拝し、一意専心、妙法広布に挺身していけば、魔も競い起こって私達の信心を妨害してきます。
しかし、大聖人様『兄弟抄』に、「此の法門を申すには必ず魔出来すべし。魔競はずば正法と知るべからず。第五の巻に云はく「行解(ぎようげ)既に勤めぬれば三障四魔紛然として競ひ起こる、乃至随ふべからず畏(おそ)るべからず。之(これ)に随へば将(まさ)に人をして悪道に向かはしむ、之を畏れば正法を修することを妨(さまた)ぐ」等云云。此の釈は日蓮が身に当たるのみならず、門家の明鏡なり。謹んで習ひ伝へて未来の資糧とせよ」と仰せであります。
すなわち、たとえいかなる魔が競い起きようが、魔は仏様には絶対に勝てないのでありますから、私どもは強盛に妙法信受の一念を貫き、毅然として自行化他の信心に住していけば、魔は必ず退散し、勝利を勝ち取ることは強盛に妙法信受の一念を貫き、毅然として自行化他の信心に住していけば、魔は必ず退散し、勝利を勝ち取ることができるのであります。
妙眞寺よりお知らせ
★三日(日)午前九時より広布唱題会・永代御経日を奉修し、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★六日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、九月度広布推進会が開催されます。中川講頭をはじめ、法華講役員の方々を中心に御参加下さい。
★九日(土)午後七時、十日(日)午前十時三十分・午後二時より、宗祖日蓮大聖人御報恩御講並びに龍ノ口法難会を奉修致します。また、十日(日)午後一時より若葉会御講を行います。
★二十三日(土)、二十四日(日)午後二時より、恒例の秋季彼岸会を奉修致します。御塔婆を申し込まれます方は、遅くとも二十日頃までにはお申し込み下さい。
☆一日から御会式お花作りを始めます。毎年一週間から十日程度で終わります。御会式法要にて御宝前を彩るお花作りに、一人でも多くの方に御参加御協力頂きたく存じます。