一如 令和4年4月号

住 職 よ り

 桜花爛漫(おうからんまん)の季節を迎え、出会いと別れ、進学進級、就職等、心機一転すべき令和四年度が始まりました。
 こうした最中(さなか)、世情を察すれば、未だ新型コロナウイルスの感染は止(とど)まる様子もなく、追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナ侵攻や、北海道の記録的大雪、東北地方の大地震等、枚挙に暇が無いほど、様々な自然災害や人災が立て続けに起こり、益々人心が疲(ひ)弊(へい)し荒廃(こうはい)し、その悪循環によって更なる災禍が起きることは必定(ひつじよう)であります。
 しかし、私たち末法唯一無二の正法を行ずる者は、ただ黙って傍観しているわけにはいきません。宗祖日蓮大聖人様御在世当時も、大地震、大疫病、大飢饉、大雨、大火、そして蒙古の襲来(しゆうらい)といった、正に三災七難が毎年のように競い起こるなか、そうした不幸の根本原因である邪義邪宗謗法の害毒に対し、大聖人様を筆頭にその弟子檀越方が折伏逆化の戦いを、身命を賭(と)して行われてきたのであります。 

 ましてや、弘安二年に惹起(じやつき)した熱原法難では、入信して一年余りの、後に熱原三烈士(さんれつし)と呼ばれる、神四郎・弥五郎・弥六郎の三名が、平左衛門尉頼綱親子(へいのさえもんのじようよりつなおやこ)の手によって蟇目(ひきめ)の矢による拷問ののち、殉教なされたのであります。これだけの覚悟をもって信行の実践に励まれた、先師先達方の不惜身命の精神を拝した時、私たちは今こそ、コロナ禍の終熄と世界の平和安寧を願い、弛まざる唱題行の実践と、果敢なる折伏逆化の戦いに挑み、コロナ禍による混乱と苦悩に喘ぐ世の中の人々を、この正法に導く時を迎えているのではないでしょうか。
 私たちが善行を修するところには、必ず魔の用きやあらゆる障礙が立ち塞がります。しかし、大聖人様が「此の法門を申すには必ず魔出来(しゆつたい)すべし。魔競(きそ)はずば正法と知るべからず」、「我並びに我が弟子、諸難ありとも疑ふ心なくば、自然(じねん)に仏界にいたるべし。天の加護なき事を疑はざれ。現世の安穏ならざる事をなげかざれ」と仰せのように、あらゆる障魔の用きや諸難が起こったとしても、決して疑うことなく、寧(むし)ろそうした障礙を乗り越えた先に、不可思議偉大なる有り難き功徳が存することを確信し、どうか自行化他に亘る信行増進と、皆様の無病息災、罪障消滅宿業打開を心よりお祈り申し上げます。

総本山大石寺遠景

 

御法主日如上人猊下御言葉

 本年、『報恩躍進の年』は、記念局の本年度のポスターに「今こそ 折伏の時」と明示されているように、私ども一人ひとりが断固たる決意と勇気を持って立ち上がり、一天広布へ向けて全力を傾注して折伏を行じ、御奉公の誠を尽くしていかなければなりません。
 特に今、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延している時、私どもは改めて大聖人様の『立正安国論』の御聖意を拝し、一人ひとりが身軽法重(しんきようほうじゆう)・死身弘法(ししんぐほう)の御聖訓を胸に、この難局を乗り越えていかなければなりません。
 大聖人様は『立正安国論』に、「倩(つらつら)微管(びかん)を傾(かたむ)け聊(いささか)経文を披(ひら)きたるに、世皆(みな)正(しよう)に背(そむ)き人悉(ことごと)く悪に帰す。故に善神国を捨てゝ相(あい)去り、聖人(しようにん)所を辞して還(かえ)らず。是(ここ)を以て魔来(き)たり鬼(き)来たり、災(さい)起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」と仰せられ、今日の如き惨状は、まさしく「世皆正に背き人悉く悪に帰す」故であると仰せあそばされているのであります。
 さらに、「嗟呼(ああ)悲しいかな如来誠諦(によらいじようたい)の禁言に背(そむ)くこと。哀(あわ)れなるかな愚侶迷惑(ぐりよめいわく)の麁語(そご)に随ふこと。早く天下の静謐(せいひつ)を思はゞ須(すべから)く国中(こくちゆう)の謗法を断つべし」と仰せられ、今日の如き難局を乗りきるためには、不幸の根源たる謗法を破折し、一人でも多くの人に妙法を下種して、破邪顕正の折伏を行じていくことが最も肝要であると仰せであります。

 されば、『教機時国抄(きようきじこくしよう)』には、「謗法の者に向かっては一向に法華経を説くべし。毒鼓(どつく)の縁と成(な)さんが為なり。例せば不軽菩薩(ふきようぼさつ)の如し」と仰せられているのであります。(中略)されば、今日、邪義邪宗の謗法がはびこり、ために世情が混乱し、戦争、飢餓、疫病、異常気象等によって様々な悪現象を現じている時、まさにこのような時こそ、我々は不軽菩薩の行いを規範として、一人でも多くの人々に妙法を下種し、折伏を行じていかなければならないのであります。まさに「今こそ 折伏の時」であります。
 大聖人様は『一念三千法門』に、「此の経は専(もつぱ)ら聞(もん)を以て本(もと)と為す。凡(およ)そ此の経は悪人・女人・二乗・闡提(せんだい)を簡(えら)ばず。故に皆成仏道(かいじようぶつどう)とも云ひ、又平等大慧(びようどうだいえ)とも云ふ。善悪不二・邪正(じやしよう)一如と聞く処(ところ)にやがて内証成仏(ないしようじようぶつ)す。故に即身成仏と申し、一生に証得(しようとく)するが故に一生妙覚(みようがく)と云ふ。義を知らざる人なれども唱ふれば唯(ただ)仏と仏と悦び給(たも)ふ。「我即歓喜諸仏亦然(がそくかんぎしよぶつやくねん)」云云。百千合はせたる薬も口にのまざれば病も愈(い)えず。蔵に宝を持てども開く事を知らずしてかつへ、懐(ふところ)に薬を持(たも)ても飲まん事を知らずして死するが如し」と仰せであります。
 信心とは、すなわち実践であり、体験であります。
 どうぞ、皆様方には、この御金言を拝し、いよいよ信心強盛に自行化他の信心に励み、一生成仏の境界を築かれますよう心から願い、本日の挨拶といたします。 (三月度 広布唱題会の砌 令和四年三月六日 於 総本山客殿)

妙眞寺よりお知らせ

★三日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★十二日(火)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、四月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、五月は五月十一日(水)
午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、五月度広布推進会が開催されます。
★九日(土)午後七時、十日(日)午前十時三十分・午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。また、十日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★十日の御講終了後、総代会を行います。
★二十九日(金)午後二時より、宗旨建立会を奉修申し上げます。