一如 令和4年3月号

住 職 よ り

 妙眞寺山門前の梅花が、例年にない多くの花を咲かせており、コロナ禍であろうが倦まず弛まず信行に励まれ福徳増進される皆様の御徳が、正に梅花爛漫(ばいからんまん)となってその善き瑞相を現ぜられていることと感じております。
 当妙眞寺は明年で創立九十周年を迎えますが、昭和五十五年九月より正信会僧侶に不法占拠され、平成二十二年七月二十一日、三十年ぶりに日蓮正宗へと返還され、間もなく十二年を数えようとしております。
 現在、妙眞寺近隣には日蓮正宗の他寺信徒の皆様も多数在住されており、正信会僧侶に不法占拠されていた時代は妙眞寺と気付かなかったほど、その威光勢力が失われていたようですが、日蓮正宗に復帰後、当地に日蓮正宗のお寺があると気付いた方、また曾(かつ)て妙眞寺にて入信された方々が、そのなつかしさに参詣されたり、近隣の御信徒方も妙眞寺檀信徒の皆様と同様、毎日のように参詣されるようになり、再び活気漲(みなぎ)る妙眞寺へと再び生まれ変わりました。
これも偏に妙眞寺檀信徒の皆様の深信なる御精進の賜物であり、その培われた清気清風(せいきせいふう)が参詣される御信徒、将又(はたまた)御信心されていない方々の心をも潤し、その心の安らぎ、安息の場所になっているようであります。
 やはり、日頃、邪宗謗法の害毒の毒気に晒され、三毒煩悩の悪風渦巻く娑婆世界に身を置くことによって、自(おの)ずとそれぞれの命が毎日毒されているのでありますから、いかに足繁く寺院に参詣して、その命を浄化矯正(じようかきようせい)する必要があるかを、深く感じさせられるところであります。
 今、全世界が未曽有の疫病の災禍に見舞われている日々ではありますが、大聖人様が熱原法難を被(こうむ)った御信徒方に対し、「たゞ一えんにをもい切れ、よからんは不思議、わるからんは一定(いちじよう)とをもへ」と御指南されているように、コロナ禍と雖(いえど)も不撓不屈(ふとうふくつ)の信心をもって、たとえ世の中が如何様(いかよう)になろうとも、御本尊様への確信と決意、勇気と歓喜をもって、いよいよ勇猛果敢に自行化他に亘る実践行に精進していかなければなりません。
 どうか『報恩躍進の年』の本年、宗祖日蓮大聖人様の御恩徳に報い奉るためにも、皆様の更なる躍進をもってコロナ禍という多数の尊い人命を奪い、多くの方々が精神的にも肉体的にも疲弊している今こそ、世の中のすべての方々が喜びに満ち溢れる毎日を送れるように、私たちは正法広布に挺身していかなければならないと存じます。

御法主日如上人猊下御言葉

 大聖人様は『瑞相御書(ずいそうごしよ)』に、「夫(それ)十方は依報(えほう)なり、衆生は正報(しようほう)なり。依報は影(かげ)のごとし、正報は体(たい)のごとし」と仰せられているのであります。
 すなわち、仏法においては依正不二(えしようふに)の原理が説かれておりまして、主体たる正報と、その依りどころたる依報とが一体不二の関係にあることを明かされているのであります。よって、正報たる我ら衆生のあらゆる用(はたら)きがそのまま、依報たる国土世間へ大きく影響を及ぼしているのであります。故に『瑞相御書』には、「人の悦(よろこ)び多々なれば、天に吉瑞(きちずい)をあらはし、地に帝釈(たいしやく)の動(うごき)あり。人の悪心盛んなれば、天に凶変(きようへん)、地に凶夭(きようよう)出来(しゆつたい)す」と仰せられているのであります。
 この依正不二の原理は、凡夫の知恵をもってしては到底計り知ることのできない仏様の智慧であり、三世十方を通覧せられて明かされた、御本仏の透徹(とうてつ)された絶対の知見であります。したがって、御本仏の絶対的知見によって明かされたこの依正不二の原理を無視して、今日の如き混迷を極める惨状を救い、真の解決を図ることはできないのであります。
 すなわち『立正安国論』の正意(しようい)に照らせば、正報たる我ら衆生が一切の謗法を捨てて、実乗の一善たる三大秘法の随一、本門の本尊に帰依するならば、その不可思議、広大無辺なる妙法の力用(りきゆう)によって、我ら衆生一人ひとりの生命が浄化され、それが個から全体へ、衆生世間に及び、社会を浄化し、やがて依報たる国土世間をも変革して、仏国土と化していくのであります。反対に、我ら衆生の生命が悪法によって濁れば、その濁りが国中に充満して、依報たる国土の上に様々な変化を現じ、天変地夭(てんぺんちよう)となって現れるのであります。
 されば、大聖人様は『立正安国論』に、「早く天下の静(せい)謐(ひつ)を思はゞ須(すべから)く国中の謗法を断つべし」と御指南あそばされているのであります。
 邪義邪宗の間違った教えは、個人を無間大城(むけんだいじよう)に堕(お)とすのみならず、一国をも世界をも地獄に堕とすことになるのであります。この邪義邪宗の謗法を対治し、塗炭(とたん)の苦しみに喘(あえ)ぐ多くの人々を救い、仏国土実現を果たしていく最善の方途こそ折伏であります。『立正安国論』の精神も、要は折伏を実践するところにあり、したがって「立正」の一字には破邪顕正(はじやけんしよう)の意義が存しているのであります。
 されば、今日の新型コロナウイルス感染症の蔓延を目(ま)の当たりにする時、今こそ我ら本宗僧俗は、一人でも多くの人々に妙法を下種し、もって全人類の幸せと全世界の平和を実現すべく、一天広布を目指して、たくましく前進していくことが最も肝要であろうと思います。

唱題行(一月三十一日)の砌 令和四年一月三十一日 於 総本山客殿

妙眞寺よりお知らせ

★六日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きます。
★九日(水)は、東京第二布教区広布推進会が新宿・大願寺で行われます。参加者は三名となっております。
★十二日(土)は、午後七時から宗祖日蓮大聖人御報恩御逮夜御講を奉修します。
★十三日(日)は、午前十時三十分から宗祖日蓮大聖人御報恩御講、午後十二時より支部役員会、午後一時より若葉会御講、午後二時より宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修致します。現在、オミクロン株による新型コロナウイルス感染拡大中でありますので、特に日曜日の午前十時三十分よりの御報恩御講は、参加者がそれほど多くありませんので、分散参加へのご協力のほど、
よろしくお願い申し上げます。
★二十日(日)・二十一日(月・春分の日)、午前十時・午後二時より、恒例の春季彼岸会をそれぞれ奉修致します。左記の通り、御塔婆供養は先祖菩提の追善供養に対し、最も大事な志でありますので、率先して御塔婆を建立し追善供養の誠を尽くして参りましょう。