一如 令和3年9月号

住 職 よ り

 子供たちの夏休みも終わり、幼稚園や各学校も始まりましたが、コロナ禍の不安残るところであると思います。どうか、妙眞寺檀信徒の皆様には、日々朝夕の勤行、唱題をしっかりと実践し、御本尊様の御照覧のもと、諸天の御加護を頂けるような信行の実践に励んで頂きたく存じます。
 さて、皆さまは大聖人様の御心のままに、仏道修行に励んでいると胸を張って言えますか?唱題行が唱題行で終わってはいませんか?
 朝夕の勤行はもとより、唱題行は自行化他に亘る唱題こそが大事大切であります。つまり、自身の幸福を願うならば、縁ある人々の幸福を願いお題目を唱え、妙法の功徳利益を説き弘めることができるよう、あらゆる仏縁を結んでいくことが重要となってきます。また、化他の心を持って自行のお題目を唱えて行くと、不思議な仏縁をも結べるような境界に必ず変わって行きます。ですから、ただ義務感に執われた唱題行、漠然としつつ、とにかくお題目をより長く唱えれば良いわけではありません。

 それよりも、いつも申し上げておりますように、常に身心が清く正しく、尊い状態であるように心掛け、「功徳とは六根清浄(ろつこんしようじよう)の果報なり。所詮(しよせん)今日蓮等の類(たぐい)南無妙法蓮華経と唱へ奉る者は六根清浄なり」との大聖人様の御金言を拝して頂くことが肝要であります。
 また、三毒煩悩渦巻く世間の垢や諸悪を排除し、有意義な日々を送るためには、末法唯一無二の正法正義を受持信行する誇りを持ち、世情の浄化矯正と、縁ある全ての方々がこの正法に帰依し、真の幸福に浴することができるよう祈りつつ、お題目を唱えて行くことが大聖人様が仰せの唱題行の姿です。
 大聖人様は、「仏と申すは正直を本とす」、「夫此の国は神国なり。神は非礼を稟(う)けたまはず。天神七代・地神五代の神々、其の他諸天善神等は、一乗擁護(おうご)の神明なり。然(しか)も法華経を以て食と為し、正直を以て力と為す」と仰せであります。また、御先師日顕上人は、私たち弟子一同に対し、常に「正直であれ」と訓誡なされておりました。
 世の中では嘘偽りの姿、不正直な姿が横行しておりますが、私たちは大聖人様の弟子檀越として、決して嘘偽りの無い信心、日常生活を心掛け、敢然としてコロナ禍に立ち向かい、諸天の御加護を頂けるよう、本年残すところ四カ月を無事にお送り頂けますよう心より念願申し上げます。

御法主日如上人猊下御言葉

 大聖人様は『法華初心成仏抄』に、「凡(およ)そ妙法蓮華経とは、我等(われら)衆生の仏性(ぶつしよう)と梵王(ぼんのう)・帝釈(たいしやく)等の仏性と舍利弗・目連等の仏性と文殊(もんじゆ)・弥勒(みろく)等の仏性と、三世諸仏の解(さと)りの妙法と、一体不二なる理を妙法蓮華経と名づけたるなり。故に一度(ひとたび)妙法蓮華経と唱ふれば、一切の仏・一切の法・一切の菩薩・一切の声聞・一切の梵王・帝釈・閻魔法王・日月・衆星・天神・地神・乃至地獄・餓鬼・畜生・修羅・人天・一切衆生の心中の仏性を唯(ただ)一音に喚(よ)び顕はし奉る功徳無量無辺なり」と仰せであります。
 すなわち、大御本尊様に対し奉り、余念なく南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、十界の衆生の心中の仏性が呼び顕され、我が色心が即、妙法の当体となって即身成仏できるとの仰せであります。
 よって、至心に妙法を唱える者は、広大無辺なる妙法の功徳によって、百人は百人、千人は千人ながら仏と成ることができるのであります。
 ただし、ここで大事なことは、私どもの唱題が、ただ唱題だけに終わってはならないということであります。
 大聖人様は『持妙法華問答抄』に、「願はくは「現世安穏後生善処」の妙法を持つのみこそ、只今生(こんじよう)の名聞(みようもん)後生の弄引(ろういん)なるべけれ。須(すべから)く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出(おもいで)なるべき」と仰せであります。
 すなわち、自行化他にわたる信心こそ肝要であると仰せられているのであります。せっかく唱題によって積んだ功徳を己れだけのものとせず、世のため人のため、折伏を行じてこそ、大聖人様の御意にかなった信心と言えるのであります。
 故に、大聖人様は『南条兵衛七郎殿御書』に、「いかなる大善をつくり、法華経を千万部書写し、一念三千の観道を得たる人なりとも、法華経のかたきをだにもせめざれば得道ありがたし」と仰せられているのであります。
 どうぞ皆様には、唱題行で積んだ功徳と歓喜をもって一天広布を目指し、世のため人のため、一切衆生救済の最善の方途たる折伏に励んで頂きたいと思います。
 特に今、日本も世界も、新型コロナウイルス感染症によって騒然としておりますが、かくなる時こそ、私どもは一人でも多くの人に妙法の功徳を説き、決然として折伏に打って出ていかなければならないと思います。
 どうぞ皆さまには、唱題に励み、一意専心、折伏を行じ、もって自他共の成仏を目指し、いよいよ精進されますよう心から願い、簡単ながら本日の挨拶といたします。

  唱題行(七月三十一日)の砌 令和三年七月三十一日 於 総本山客殿

妙眞寺よりお知らせ

★五日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃・御会式お花作りを行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★八日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、九月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、十月は十月五日(火)午後一時より、品川・妙光寺において開催され、東京第二布教区折伏推進僧俗指導会が開催されます。
★十一日(土)午後七時、十二日(日)午前十一時・午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を行います。また、十二日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★二十三日(木)午後二時・六時より、恒例の秋季彼岸会を奉修申し上げます。お塔婆を願われます方は、なるべく十九日頃までにお申し込み下さい。
★各御自宅での宅御講・お盆周りも随時行っておりますので、御希望の方は是非願い出て下さい。
★現在、総本山への御登山は、新型コロナウイルスワクチンの二回接種完了された方のみとなっております。何卒御了承下さい。