コロナ禍での信心③
今回、大白法7月16日号を拝読し、東京第二布教区大修寺支部で、東京第二地方部鼓笛隊責任者である大森康平氏の奥様、大森光子氏、北海道第三布教区法眼院支部の太田節子氏の体験発表を拝見致しました。
そのお二人の体験発表を拝し、自分自身の境界を高め変えていくため、自身の果報は過去よりの罪障や宿業の原因によるものと認識し、宿業打開、宿命転換のためには、御本尊様に真剣な唱題行を実践していくことが肝要であり、そうした境界になることにより、まずは自分自身が変わることの大事、そこから折伏実践へと繋げていく大切さを、それぞれ実感されていることに感銘を受けた次第であります。
現在、コロナ禍のさ中、思うように総本山へ登山できなかったり、菩提寺に参詣できなかったりと、今まで当たり前のように信仰活動できていたことが、コロナ禍によって様々な面で制約がかかり、その中で今までの信仰生活がいかに有り難いことであったかと感じ、改めて自身の信仰の姿を省みて、心機一転して精進されていることを目の当たりにし、本来私たちが行うべき信仰の姿、心根を見出している方々の体験発表には目を見張るものがあります。
当然、宗祖日蓮大聖人様の御遺命たる広宣流布実現のため、世情の浄化矯正と、悩み絶え間なく三毒煩悩の悪風吹き荒ぶ世のため、苦悩に喘ぐ人のために下種折伏していくことが、私たち大聖人様の弟子檀越として、最も肝心な修行であります。そして、より多くの方を折伏し、大聖人様の正法正義へと帰依せしめ幸福な人生へと誘(いざな)うべく、広布への熱い思いを持って信行の実践に励むことが非常に大事であります。
しかし、そうした中で自分自身はどうであろうか?日々の信行の実践により、大きく境涯を変えることができるような状況にあるかどうか。なかなか折伏ができず、なかば諦めてはいないかどうか。そして、コロナ禍の今、街頭折伏や訪問折伏も制限され、新たな下種先を見つけたり、親類縁者への折伏に四苦八苦し、悩んでいないかどうか。もし、そうしたことで悩んでいる方がいらならば、次の大聖人様の御教示を我が身心に当てはめて考えてみて下さい。
大聖人様は『土篭御書』に、「法華経を余人のよみ候は、口ばかりことばばかりはよめども心はよまず、心はよめども身によまず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ」と仰せであります。
要するに私たちの信心は、身口意の三業相応して行う仏道修行であります。ですから、日々の生活の面でも折伏の面でも、信仰の実証として結果のでる信仰を、そして現在コロナ禍の最中ですが、世間の方々と同じように不用意に不安を抱くことなく、寧ろコロナ禍でざわつく世情や悩み苦しむ世間の方々を憂慮し、力強く前進して行ける信心を奮い起こすことが肝要であります。
その為には、口ばかり形ばかりの信心ではなく、大聖人様の御遺命成就たる広布大願の為に、少しでもお役に立てるよう、まずは意を決し覚悟を決め、世の中の全ての方々から信頼され、慕われ愛されるような人格を構築する為にも、目的意識をしっかり持ち、油断怠り無く果敢に唱題に励み、自身から功徳利益が溢れ出るような、そして折伏を成就できるような境界に至るまで、精進の誠を尽くしていくことが大事であり、尚且つ自分のことだけでなく、周囲の方々への気配りができるだけの余裕が持てる境界になることも肝要であります。また、折伏するにも創意工夫し、あらゆる折伏方法を考え、その一つ一つを実行に移していくことも至極重要なことであります。
そして、大森光子氏の体験発表に、「私は、このコロナ禍の中で絶対に信心から離れてはいけないと家族と共に奮い立ち、『百日間唱題行』で心を入れ替え、その後も毎日の一時間唱題行を継続させていただく中、たくさんの功徳の体験を頂戴しました。このご恩に報いるためにも、御法主日如上人猊下の、『相手の信頼に足る言葉、行い、意(こころ)がなければ、折伏は成就しないのであります』との御指南を自らに言い聞かせ、〝『宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の年』だからこそ〟の精神で日常を大事に過ごして自行化他の信心に励み、油断することなく家族・同志と共に精進いたします。世の中が目まぐるしく変化する今、御仏智を賜り信心を止めることなくしっかりと歩めるよう、そして何よりも未来広布のお役に立てるよう、今を乗り越えてまいります」と述べられています。
また、大聖人様が御書の多くの箇所で引用されている、妙楽大師の言葉に「一心一念法界に遍し」とあります。つまり、皆さまの御一念は、宇宙法界全てに相通じていることを忘れないで下さい。皆さまが日頃から、あの人やこの人を折伏したい、また同じ支部に所属している方で、最近お寺で姿を見ないな、元気にしているかなとの思いを抱き、御本尊様にお題目を必死に唱えて下さい。それが1時間でだめだったら2時間、2時間でだめだったら3時間と、出来うる限り毎日唱題に励み、祈って下さい。必ず結果は出てきます。あとは、皆さんの努力と根気次第です。
皆さんは毎月、大白法を拝読されていると思いますので、今回の大白法に掲載されている体験発表もよく御覧になられて下さい。そして最後に、昨年はコロナ禍で、総本山大石寺での全国少年部大会が中止となったため、「令和二年ビデオ少年部大会体験発表応募作品集」として、東京第二地方部から6名の少年部員が投稿されました。その中から、2名の少年部員の発表を抜粋させて頂きます。
1人目は妙声寺支部で、昨年小学6年生であったHさんが、「私には目標があります。一つは来年の中学受験に向けて信心根本に勉強に取り組み、御本尊様が私に合った学校を見つけて下さるように努力していく事と、もう一つは、中学受験を共に目指している親友に令和三年の大佳節までに仏法対話をし、御授戒に導けるように毎月の御登山でしっかり御祈念をし、唱題を頑張って目標を達成させたいです。そして、最後に百年に一度の大佳節を家族みんなで一緒に迎えられる幸せに感謝して、毎日を一生懸命に生きていきたいです」と述べられています。
2人目は大宣寺支部で、昨年小学6年生であったKさんが、「休校であたえられた時間を無駄にしないように朝夕の勤行、毎日一時間の唱題をしていこうと決めて頑張りました。また、練習が中止になった鼓笛隊でも、練習日に合わせて午前十一時から一時間、各家庭で唱題をしました。みんなと会えなくても一緒の時間に唱題させて頂く事は、とても心強かったです。最初は、足がいたくなったり、毎日続けることが大変でした。けれども、勤行・唱題をした後は気持ちがスッキリして、元気がでました。新学期が始まるまでの三カ月間、毎日やりきる事ができました。うれしかったです。(中略)御本尊様を信じて朝夕の勤行・唱題を続けていくと必ず明るい未来になるんだと分かりました。今は新型コロナウイルスで大変な世の中ですが、来年の御聖誕八百年に向かって日々、勤行唱題を続けて頑張ります」と述べられています。
2人とも東京第二地方部の鼓笛隊員ですが、信心強盛な親御様のアドバイスは当然のことながら、鼓笛隊活動を通じて、また自分自身の悩み事の解決への決意のままに、純粋にやるべきことを行じ、御本尊様の尊い功徳利益を感じて、それぞれ最後の結文として以上のようにまとめられ、書き綴られています。このように小学生であっても、発心して実践行に移し、相応の果報を得て、御本尊様に対する確信と今後の決意を立派に述べられています。
まずは、仏教の基本理念として七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ)という偈文(げぶん)に、「諸悪莫作(しょあくまくさ)・衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)・自浄其意(じしょうごい)・是諸仏教(ぜしょぶっきょう)」「様々な悪行を犯すこと無く多くの善行を行い、自らの心根を浄く持つことが仏様の教えである」ということが説かれております。この理念のもと、どうか、コロナ禍である今こそ、皆さまには信心を奮い起こして、日蓮正宗の信徒として恥じないような所作振る舞い、発言行動を意識し、障魔に振り回されず、諸難困難を乗り越え、折伏成就できる信心を実践して行こうではありませんか。