一如 令和3年6月号

住 職 よ り

 本年も衣替えの季節となり、妙眞寺御宝前御安置の日蓮大聖人様・日興上人様の各御影(みえい)様には、御襟巻(えりまき)をお外しし、御団扇(うちわ)を御供え申し上げました。
 初夏を迎え、これから気温が高い日々となりますが、時節柄マスク着用にて多少息苦しいことと存じ上げます。どうか熱中症、脱水症状等には十分気を付けてお過ごし頂きたく存じます。
 さて、ここのところ新型コロナウイルス新規感染者も減少傾向になっているようではありますが、東京都をはじめ、全国各都道府県に対し発令されている、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」は今月二十日まで延長されております。
 当初は疫病の災禍(さいか)として蔓延していた新型コロナウイルスも、徐々に政府や自治体の自粛要請を守らない、道義やルールを無視した人々による「人災(じんさい)」と言っても過言では状況になりつつあることを以前にも申し上げました。いずれにしましても、未だ国内外新型コロナウイルスの感染が続いている以上、私たち日蓮正宗の僧俗は、『聖人御難事(しようにんごなんじ)』の「月々日々につより給へ。すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし。我等凡夫のつたなさは経論に有る事と遠き事はをそるゝ心なし」との御教示を拝し、疫病の災禍は仏さまのお経文に認められている通り、世の中の謗法の総罰として、いつどこでも起きうる災いであり、また悪鬼魔神の所為(しょい)として、ごく身近に潜(ひそ)んでいることを覚知し、油断怠りなく信行の実践に励むことが肝要であります。
 それでも魔の用きは非常に恐るべきもので、私たちの日常生活のなかで、ちょっとした油断や隙を狙って私たちの身心に入り込んできます。ましてやコロナ禍の今、私たちも感染する可能性は当然ありえますし、更にまたその他の業病や宿世の因縁によって、あらゆる病魔に冒される可能性もあります。
 ですからこそ、こうしたコロナ禍を教訓として、『法華題目抄』の「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがへる義なり」との御教示を拝し奉り、まずは自分自身が御本尊様の御冥加を賜り、病魔を乗り越えることができる信心を心掛け、その為にも功徳利益を積み重ね、更にその信行の実践が自行化他に亘る、世の為人の為になるよう、心よりお祈り申し上げます。

 御法主日如上人猊下御言葉

 今日、新型コロナウイルス感染症によって、日本をはじめ世界中が騒然とした状況を呈しております。しかし、かくなる時こそ、私どもは世の中の平和と人々の幸せのため『立正安国論』の原理に従って、一致団結・異体同心して折伏を行じ、妙法流布に邁進していかなければならないと思います。
 大聖人様は『如説修行抄』に、「末法の始めの五百歳には純円一実の法華経のみ広宣流布の時なり。此(こ)の時は闘諍(とうじよう)堅固(けんご)・白法隠没(びやくほうおんもつ)の時と定めて権実雑乱(ごんじつぞうらん)の砌(みぎり)なり。敵有る時は刀杖弓箭(とうじようきゆうせん)を持つべし、敵無き時は弓箭兵杖(きゆうせんひようじよう)なにかせん。今の時は権教即実教の敵と成る。一乗流布の代の時は権教有って敵と成る。まぎらはしくば実教より之を責むべし。是を摂折(しようしやく)の修行の中には法華折伏と申すなり。天台云はく「法華折伏破権門理(ほつけしやくぶくはごんもんり)」と、良(まこと)に故あるかな。然るに摂受(しようじゆ)たる四安楽(しあんらく)の修行を今の時行ずるならば、冬(ふゆ)種子を下して益を求むる者にあらずや。鶏(にわとり)の暁(あかつき)に鳴くは用(ゆう)なり、よいに鳴くは物怪(もつけ)なり。権実雑乱の時、法華経の御敵を責めずして山林に閉ぢ篭(こも)りて摂受の修行をせんは、豈(あに)法華経修行の時を失ふべき物怪にあらずや」と仰せであります。
 この御文は、皆様方も折に触れ、聴聞されていることと思いますが、まさしく末法今時において、いかに折伏を行ずることが大事であるかをお示しあそばされており、特に今日、新型コロナウイルス感染症によって、世界中が騒然たる状況を呈している時、私どもは改めてこの御金言を拝し、一人ひとりが折伏に立ち上がり、一人でも多くの人々の幸せと真の世界平和の実現を願い、妙法広布に挺身していくことこそ、今、最も大事なことであると思います。
 大聖人様は『立正安国論』のなかで、「嗟呼(ああ)悲しいかな如来誠諦(じようたい)の禁言(きんげん)に背(そむ)くこと。哀(あわ)れなるかな愚侶迷惑(ぐりよめいわく)の麁(そ)語(ご)に随ふこと。早く天下の静謐(せいいひつ)を思はゞ須(すべから)く国中の謗法を断つべし」と仰せられ、謗法の害毒によって苦悩に喘(あえ)ぐ多くの人々を救済し、安穏なる仏国土を実現するため、老若男女を問わず折伏に立ち上がり、断固たる決意を持って勇猛果敢に折伏を行じていくことが最も肝要であると御教示あそばされております。

  五月度 広布唱題会の砌 令和三年五月二日 於 総本山客殿

 

妙 眞 寺 よ り お 知 ら せ

★六日(日)は午前九時より広布唱題会・永代御経日を行い、終了後、寺院清掃を行って頂きますので、何卒宜しくお願いします。
★十二日(土)午後七時、十三日(日)午前十一時、午後二時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御講を行います。また、十三日(日)午後一時より、若葉会御講を行います。
★九日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺において、六月度広布推進会が開催されます。三名の参加割当となっております。なお、七月度広布推進会は、七月七日(水)午後六時四十五分より、新宿・大願寺にて開催され、同じく三名の参加割当となっております。
★二十七日(日)、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年慶祝記念・妙眞寺団体添書登山を行う予定です。しかし、新型コロナウイルスの感染状況によっては、再度中止とする場合もあります。
★本年も広布唱題行を行っておりますが、現在、緊急事態宣言が発令されております。東京都より、午後八時に、道路側の寺号照明ほか、全ての照明を落とすよう指示されておりますので、引き続き火・水・金曜日の午前十一時からの週三回といたします。その他、妙眞寺は朝勤行から夕勤行終了後まで、毎日開門しておりますので、日中は御自由に御参詣下さい。