緊急事態宣言延長を受けて(令和2年2月4日)

 このたび、一都三県に対する緊急事態宣言が3月7日まで延長されることとなりました。1月8日に一都三県に対し、緊急事態宣言が発令されて以来、週を追うごとに新規感染者数は減少傾向になってはおりますが、重症患者や亡くなられる方の人数は未だ高水準のようであります。東京都では毎日午後3時に新規感染者数、重症者数の発表がなされておりますが、毎日そうした報道を見ながら、とにかく御本尊様の御仏意のもと、1日も早くコロナ禍が終熄するよう願うのみであります。

 特に今月は、16日(火)に「宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の慶祝記念法要」が奉修されます。当初は午後2時・午後7時の2回を予定しておりましたが、こうした状況を鑑み午前11時を加え、計3回の記念法要を奉修いたします。百年に1度の記念すべき宗祖日蓮大聖人御誕生会法要ですので、妙眞寺檀信徒の皆様におかれましては、13日(土)、14日(日)の宗祖日蓮大聖人御報恩御講と続き、更に緊急事態宣言下ではありますが皆様と共に無事この佳き日を迎え、宗祖日蓮大聖人様に報恩感謝申し上げられますよう、何卒御信心をもっての御参加を心より念願いたします。

 何よりいま世間は、大聖人様が『立正安国論』に「国土乱れん時は先づ鬼神乱る、鬼神乱るヽが故に万民乱ると。今此の文に就いて具に事の情を案ずるに、百鬼早く乱れ万民多く亡ぶ」と仰せのように、五濁悪世のなか悪法の害毒の影響により悪鬼魔神が力を得て騒ぎまわり、コロナ禍という疫病の災禍に振り回され、昨年来より混沌としている状況であります。こうした時こそ大聖人様が「広く衆経を披きたるに専ら謗法を重んず。悲しいかな、皆正法の門を出でて深く邪法の獄に入る。愚かなるかな各悪教の綱に懸かりて鎮に謗教の綱に纏はる。此の朦霧の迷ひ彼の盛焔の底に沈む。豈愁へざらんや、豈苦しまざらんや。汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし」との御金言を実践すべき時であります。そして、いつの時も私たちの願いは一つ、自他の一生成仏と広宣流布という壮大なる目標へ一歩一歩着実に前進することであります。

 ましてや大聖人様が、『顕立正意抄』に「今日蓮が弟子等も亦是くの如し。或は信じ或は伏し、或は随ひ或は従ふ。但名のみ之を仮りて心中に染まらざる信心薄き者は、設ひ千劫をば経ずとも或は一無間或は二無間乃至十百無間疑ひ無からん者か。是を免れんと欲せば各薬王・楽法の如く臂を焼き皮を剥ぎ、雪山・国王等の如く身を投げ心を仕へよ。若し爾らずんば五体を地に投げ遍身に汗を流せ。若し爾らずんば珍宝を以て仏前に積め。若し爾らずんば奴婢となって持者に奉へよ。若し爾らずんば等云云。四悉檀を以て時に適ふのみ。我が弟子等の中にも信心薄淡き者は臨終の時阿鼻獄の相を現ずべし。其の時我を恨むべからず等云云」と仰せであります。

 とにもかくにも、こうした時こそ自分自身の信心を奮い起こし、大聖人様よりこのような懶惰懈怠(らんだけたい)の信心とのお叱りを受けないように、大聖人様が「速やかに対治を廻らして早く泰平を致し、先づ生前を安んじ更に没後を扶けん。唯我が信ずるのみに非ず、又他の誤りをも誡めんのみ」との御金言の通り、世のため人のために自行化他の信心に深く住し、特に今、大聖人様の御指南を要約し「疫病の災禍の原因と対治の方途」と「三世の生命に立脚し、毎日が充実した有意義な人生を送るため、今をいかに生きるか」、そして「臨終の時仏さまのお迎えを頂けるよう正しい信心に帰依し、正法に則った善行を修することの大切さ」の三点を中心に正法正義を説き弘め、縁あるすべての人の幸福と一生成仏を願いながら唱題に唱題を累ね福徳増進し、もって宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年という大佳節にふさわしい信行の実践に勤しんで頂きたいと切に念願致します。

 なお、妙眞寺におきましては、月々の恒例行事、月例行事以外の日は、午後8時以降の外出自粛要請に基づき、午後7時に閉門しております。また、不要不急の外出自粛要請もされており、そうした状況を踏まえつつ信行の実践に努めて頂きたく存じます。また、緊急事態宣言対象外地域への移動も社会通念上控えるべきと判断し、総本山への御登山は、個人での添書登山は各自にてご判断の上で添書を願い出て頂きたく存じますが、団体での添書登山は当面延期とさせて頂きたく存じます。

 以上、皆様方におかれましては、大聖人様が「然るに法華経と申す御経は身心の諸病の良薬なり。されば経に云はく「此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病有らんに是の経を聞くことを得ば病即消滅して不老不死ならん」等云云。又云はく「現世は安穏にして後生には善処ならん」等云云」と仰せ如く、不断の唱題行を志し、決して油断せずコロナ禍での予防措置をとられ、御本尊様からの御冥加と諸天の御加護を賜るためにも、御法主日如上人猊下の驥尾に付してこの災禍を乗り越えることができるよう、より一層自行化他に亘る御精進の誠を尽くして頂きたく心よりお祈り申し上げます。