緊急事態宣言発令下における感染予防対策と信行の実践について

 過日、大凡の妙眞寺檀信徒の皆様が住まわれる一都三県に対し緊急事態宣言が発令され、2週間余りが経過致しました。この2週間で新型コロナウイルス陽性者も、報告される数字の上では減少致しましたが、未だ高い水準で陽性者の確認が毎日報告されています。宗教法人施設に対しまして、具体的直接的な要請はありませんが、少なくとも参詣される皆様には、一般の自粛要請に応じた上で、自己判断のもと必要に応じて御参詣下さい。

 妙眞寺と致しましては、現在も朝勤行より夕勤行終了後まで開門しており、毎日参詣者がみえますので、開門中は受付・本堂内における次亜塩素酸水の噴霧、数カ所にアルコール消毒液を設置、ハンディタイプの体温計を常備し、御自宅で検温されなかった方には検温して所定の用紙に御記入頂き、閉門後は本堂内の高濃度オゾンによる除菌を行い、現時において出来うる限りの最大限の予防措置を行い、また昨年、空調設備を新調いたしましたので、本堂内の換気状況も以前より格段良くなっております。特に妙眞寺境内におけるクラスター予防には万全を尽くしておりますが、完全なまでには行きません。また、一都三県よりその他の地域への移動も現在は自粛要請されておりますので、総本山への登山も残念ながら自粛すべきと判断し、添書登山について妙眞寺檀信徒の皆様には基本的に中止とさせて頂いております。

 今大事なことは現今の世情を鑑み、皆様方が不要不急の外出を避け、外出時にはマスクの着用、口腔内での感染と大量繁殖が疑われるため、こまめな手洗いうがいの励行が、一番基本的な新型コロナウイルスに対する予防措置となります。また、毎日数回の検温を心掛け、パルスオキシメーターをお持ちなら血中の酸素飽和度(サチュレーション)なども計測することにより、新型コロナウイルス感染予防や万が一の場合に対する心掛けが重要になってきます。

 パルスオキシメーターにつきまして、小さなお子様を育てられているご家庭には、最近御用意されていることがあると思いますが、当妙眞寺にも常備しており、いつでもパルスオキシメーターにより血中の酸素飽和度も計測できるようにしております。血中の酸素飽和度につきましては、通常99~96が正常値となりますが、その数値以下になりますと何らかの異常が認められ、特に新型コロナウイルスに感染し症状が悪化しますと、呼吸困難にならなくとも酸素飽和度が90以下になっているとの報告もあります。

 また、公共の施設などには顔面を画面に映して体温を計測する設備が多く見受けられますが、この装置は顔面の表面温度を計測するだけで、外気温や空調設備による影響を受けやすく、あくまでも目安としての体温計測で、実際正確な体温を計測することはできません。また、ハンディタイプの体温計も、ひたいに向けて体温を計測しておりますが、これも同様で、ひたいよりも首筋に当てて計測した場合の方が正確な体温を計測できますので、妙眞寺受付に常備しているハンディタイプの体温計で体温を計測される場合は、是非とも首筋から10センチほど離して体温を計測して頂きたく存じます。

 最近、軽症感染者の容態急変により亡くなられた方が200名近くに及んでいるとの報道もあり、そうしたなか、公共の交通機関を利用し寺院参詣することに対し不安を抱えられてたり、自粛している方も多いと存じます。ましてや、妙眞寺に参詣される場合、池袋・新宿・渋谷・横浜等の繁華街を貫く、地下鉄副都心線直通の東急東横線や、各地下鉄直通の東急目黒線を利用したり、週末は未だ滞在人口過密な自由が丘駅において乗降されるとなると、不安も大なることと存じ上げます。

 また、不要不急、午後8時以降の外出自粛を促されている現今の社会通念上、外出して折伏に動き回ることは非常に困難な状況にあり、非常識の毀りを受ける場合もあります。しかし、このままコロナ禍を理由に自行化他に亘る信行の実践を疎かにすると、せっかくの宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年という、百年に一度の大佳節における大いなる福徳増進の機会を失うことになります。ですので、まずは自分自身でできる最大限の信行の実践に勤め、新型コロナウイルスに感染しないような御境界を目指して、基本的には日々勤行・唱題に励み、普段何かとお座なりになりがちな教学の研鑚や御書の拝読、折伏に活きる書物の拝読をこの機会に行い、妙眞寺発行の折伏育成文書を使った文書布教等、創意工夫して現時における有意義な実践行を心掛けて頂きたく存じます。

 何よりも今、妙眞寺住職と致しましては、本年度の折伏誓願目標成就、妙眞寺檀信徒の皆様の御健康とコロナ禍を全檀信徒の皆様が乗り越えることを祈るのみであります。更に2月は、2日(火)に節分会、7日(日)には広布唱題会並びに興師会、13(土)、14日(日)には宗祖日蓮大聖人御報恩御講、そして16日(火)には宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年記念法要を奉修申し上げます。2月7日に緊急事態宣言が解除される予定となってはおりますが、現在更なる一ヶ月の延長も検討されるなどと報道されております。

 こうしたなかで、いかに精進の誠を尽くし抜いていくか、どのような形で宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大佳節をお祝い申し上げるかをよくよく考え、今後共油断怠りなきよう、皆様のいよいよのご隆昌ご発展、新型コロナウイルス感染拡大の早期終熄と、コロナ禍に関わる全ての医療従事者の方々に対する慰労を心よりお祈り申し上げます。