百日間唱題行満了に当たり

 9月7日から行われてきました百日間唱題行も12月15日、満了を迎えました。皆様方におかれましては、どのくらい唱題を行ずることができましたでしょうか。どうか、この唱題行の功徳利益をもって、新型コロナウイルスの早期終熄と罹患された方々の回復を願うものであります。更にまた、医療従事者の方々への深い感謝の念を表すると共に、身命を賭して大変な任務を果たされている方々の御健勝と御慰労を心よりお祈り申し上げます。

 さて、御法主日如上人猊下は、百日間唱題行満了の砌、以下のように御指南あそばされました。

 『9月7日から始めた百日間唱題行も、本日をもって終了いたします。この百日間、皆様方にはお忙しい中、時間を割いて多くの方々が唱題行に参加され、まことに御苦労様でございました。この百日間唱題行は、宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年、法華講員八十万人体勢構築の達成を期して、総本山をはじめ全国の寺院および各家庭において行われたものでありますが、皆様の強盛なる信心と熱意によって、本日めでたく終了することができまして、心から喜びに堪えません。皆様が百日間の唱題行に励まれた功徳は、まことに計り知れないものがあり、これからの広布の戦いにおいて必ずや、その功徳の姿が現れてくるものと確信いたします。大聖人様は『法華初心成仏抄』に、「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり(中略)とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし。信ぜん人は仏になるべし、謗ぜん者は毒鼓の縁となって仏になるべきなり。何にとしても仏の種は法華経より外になきなり」(御書1316)と仰せであります。この御文中の「毒鼓」とは、毒薬を塗った太鼓のことです。涅槃経の中に「毒薬を太鼓に塗り、大衆のなかにおいてこれを打つと、聞こうとする心がなくとも、その音を聞く者すべてが死ぬ」とあり、法を聞こうとせず、あるいは信じようともせず反対したとしても、やがて煩悩を断じて得道できることを、毒を塗った太鼓、つまり毒鼓を打つことに譬えているのです。すなわち、一切衆生には皆、仏性が具わっており、正しい法を聞き、発心・修行することによって成仏できることを明かされているのです。つまり、末法今時では順縁の衆生はもとより、たとえ逆縁の衆生であっても、文底下種の妙法を聞かせることによって、正法と縁を結ばせ、将来、必ず救済することができると仰せられているのであります。今、宗門は僧俗一致の体勢をもって、いよいよ明年に迫った宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の誓願達成へ向けて力強く前進しております。この時にあたり、私共一同、地涌の菩薩の眷属たる自覚と誇りを持って、異体同心・一致団結して「毒鼓の縁」を手本に敢然として折伏を行じ、誓願達成へ向けて前進していくことが最も肝要であります。本年も残りわずかとなりましたが、時間を割いて誓願達成へ向けて折伏に励み、もって自他共の幸せを必ず築かれますよう心からお祈り申し上げ、本日の挨拶といたします。』(R2.12.15百日間唱題行満了の砌)

 私たちは今、世界中で感染拡大の止まらない新型コロナウイルス感染拡大の渦中で生活をしているわけでありますから、家から一歩外へ足を踏み出せば、少なからず感染のリスクがあることは言うまでもありません。当然、日常生活を送るなかで、全く外出しないということは無理に等しいかと存じますが、外出時に新型コロナウイルス感染予防のために、何に気を付け、何を避け、何を徹底すべきかは、大凡見える来ていると思います。そして、私たちは末法唯一無二の正法正義と御本尊様のもと、その大確信と唱題行の功徳利益をもって、不要不急の外出は避けつつも、いたずらに新型コロナウイルスに恐れることなく、ここぞという時にこそ、御法主日如上人猊下の御指南を肝に銘じ、折伏弘教に邁進すべき正念場を迎えております。宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大佳節まで残すところ3ヶ月となり、どうか皆様方には愈々の御健勝と御精進をもって、迫り来たる障魔をすべて排除し、無事故無障礙にて無事大晦日を迎え、輝かしい宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の新春をお迎えできますよう、心より念願致します。

 なお、12月16日午前11時より、新宿・大願寺の地下1階・大願寺集会所におきまして、東京第二布教区副宗務支院長・舟橋日謙御尊能化をはじめ、教区内外有縁の僧侶・寺族、大願寺代表御信徒御出席のもと、大願寺御住職・板東慈潮御尊師の御導師により、方廣山大願寺集会所安置板御本尊入仏式が奉修されましたことを御報告申し上げます。