一如 10月号

住 職 よ り

 いよいよ宗祖日蓮大聖人御会式法要の月を迎え、本年も残すところあと三ヶ月となりました。相変わらす新型コロナウイルスの蔓延が続いておりますが、こうした時を鑑みられ、御法主日如上人猊下は「百日間唱題行」を九月七日から十二月十五日までの百日間に亘り、一日二時間の唱題行を宗内全僧俗と共に行う旨、御指南されました。

 新型コロナウイルスの終熄は全世界全ての人々が願うところでありますが、疫病災禍(えきびようさいか)の原因は、偏に邪宗謗法の害毒と、五濁悪世に生きる私たち凡夫の三毒煩悩による人々の悪心に機縁するものでありますから、そう簡単に終熄するものではありません。またコロナ禍であるからこそ、御本尊様の御冥加(みようが)と諸天の御加護を賜り、そうした疫病に罹患(りかん)しないよう信行の実践により精進し、私たちは次頁の御法主日如上人猊下の御指南を深く身に体して、明年の大佳節を前に残りの三ヶ月を、唱題行の功徳をもって折伏弘教に専念して頂きたいと願って止みません。 

 さて、過ぎ去った時を戻すことはできませんし、言ってしまったこと、しでかしてしまったことを無かったことにすることもできません。ましてや、「あの時、あーすれば良かった。こうすれば良かった」と思うことは、よくあることだと思います。「後悔先に立たず」とは、よく言うものですが、私たちは一寸先のことをもよく考えて、発言し行動すべきであります。
 また世の中では様々な方とのお付き合いがあると思いますが、そこは「和して同ぜず」との教訓のもと、とにかく信心を基軸として、世間の悪風に流され垢に染まらぬよう、充分注意して頂きたく存じます。

 最後に、これは幾度となく申し上げていることではありますが、今後より一層強固な講中を築いていくためにも、まず愚癡(ぐち)は禁物であります。特に第三者のことを余所(よそ)で云々することは厳(げん)に慎んで頂き、せっかく信行の実践に励んでいるにもかかわらず、言葉とは裏腹の信心姿勢や見栄(みば)えばかりの生活、功徳利益を失うような発言行動には、よくよく気を付けて頂きたいと思います。そして、間違っても三毒煩悩に犯され其の身を滅ぼすことがないよう、ましてや、化他を忘れた理行の題目、唱題が唱題で終わらぬよう、是非とも岩をも貫く矢の如く、真の功徳具わる事行の題目を、全身全霊をもって唱え尽くし、もって本年度の折伏誓願目標の早期完遂成就に全力を傾注して頂きたく願います。

御法主日如上人猊下御言葉

 宗内全寺院および全家庭において、一斉に百日間唱題行を実施することになりました。
 これは、宗内の全僧俗が一日二時間の唱題行を百日間行い、その功徳と歓喜をもって、今、世界に蔓延しているコロナ禍や立ち塞がるような難事・難局を乗り越え、折伏の大前進を図るためであります。

 したがって、そのためには唱題が唱題のみに終わるのではなく、唱題の功徳と歓喜をもって、僧俗一致・異体同心して全員が折伏に立ち上がり、打ってでることが肝要であります。

 そもそも信心とは、理屈ではなく、実践であります。折伏も同様であり、折伏は実践しなければ折伏したことにはなりません。
 大聖人は『三大秘法抄』に、「題目とは二意有り。所謂(いわゆる)正像(しようぞう)と末法となり。正法には天親菩薩(てんじんぼさつ)・竜(りゆう)樹菩薩(じゆぼさつ)、題目を唱へさせ給ひしかども、自行計(ばか)りにして唱へてさて止みぬ。像法には南岳・天台等は南無妙法蓮華経と唱へ給ひて、自行の為にして広く化他の為に説かず。是理行の題目なり」と仰せであります。

 すなわち、ここで仰せの「理行の題目」とは、正像過時の題目にして「自行の為にして広く化他の為に説かず」と仰せのように、自行化他にわたる信心ではなく、化他行たる折伏を忘れた信心であり、自分自身の利益のみを求めた利己的な信心であって、末法の今、大聖人の御正意にかなう信心とは言えません。

 大聖人は『持妙法華問答抄(じみようほつけもんどうしよう)』に、「願はくは「現世安穏後生善処(げんぜあんのんごしようぜんしよ)」の妙法を持つのみこそ、只今生(こんじよう)の名聞(みようもん)後生(ごしよう)の弄引(ろういん)なるべけれ。須(すべから)く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界(にんかい)の思出(おもいで)なるべき」と仰せであります。

 まさしく「南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき」との御教示を一人ひとりが心肝に染め、妙法広布に我が身を捧げ、一天広布を目指して折伏を行じていくところに、自他共の真の幸せを築くことができるのであります。

                            百日間唱題行(九月七日)の砌 令和二年九月七日 於 総本山客殿

妙 眞 寺 の 動 き

 九月度は、六日(日)午前九時から広布唱題会、永代御経日を奉修致しました。十二日(土)午後七時から、宗祖日蓮大聖人御報恩御逮夜御講、十三日(日)午後二時より月例の宗祖日蓮大聖人御報恩御講、宗祖日蓮大聖人龍ノ口御難会、総本山第六十七世日顕上人第一周御忌法要を奉修申し上げました。また、二十二日(日)午後二時より秋季彼岸会を奉修致しました。なお、九月七日から毎日「百日間唱題行」として、二時間の唱題行を行っています。