一如 9月号

住 職 よ り

 未だコロナ禍が続くなか、妙眞寺檀信徒の皆様におかれましては、大慶至極のことと存じ上げます。

 今、未曽有の新型コロナウイルス感染症が猛威を奮うなか、私たちは妙法唱題の功徳を以て、勇猛果敢にこの惨事を乗り越え、必ず仏さまの御仏智が顕れ、早期にコロナ禍が終(しゆう)熄(そく)することを、ただただ祈るのみであります。
 何事もそうでありますが、まず目的観をしっかりともつこと。そして、その成就のため、深い祈りを捧げ真剣に御本尊様にお題目を唱えて行く姿が、実に尊く有り難いことかを改めて感ずべきであります。そして、絶対的確信と心の拠り所とすべき御本尊様と、その仏智仏徳が、身に影が寄り添うように常に在(ましまし)していることと共に、宗祖大聖人様の仰せの通り、正直で素直な信心を心掛けることが、特に今最も重要であることを拝して頂きたく存じます。

 

 宗祖日蓮大聖人御聖誕八百年の大佳節まで残り五ヶ月、その佳き日が近づくにつれ、新型コロナウイルスの再拡大、自然災害等、また僧俗和合や妙眞寺の興隆発展を阻む用き、更に、一人一人に大小様々な障魔が襲い、私たちの心を悩ませ、信心や縁ある人々に疑いの心を生じさせる用きが起こることは必定であります。そしてまた、日頃真剣に信行の実践に励むなかであっても、油断怠慢がなかったとしても、そうした災禍は訪れるものであります。

 逆に大佳節を迎える今、過去からの罪障や宿業を召し出だして、すべてを消滅させるべき千載一遇の機会であることを感じつつ、毎日の新型コロナウイルスのニュース等に心脅(おびや)かされることなく、その根本原因である悪鬼魔神の用(はたら)きを打ち破り、いよいよ精進の誠を尽くして頂きたく存じます。

 

 来月は、宗祖日蓮大聖人御会式を奉修予定であります。どのような形で奉修致すかは未定ですが、更なる広布への誓いと、御自身の折伏成就を以て、明年の大佳節を無事お迎えできるよう、また無事御会式に参列できるよう、しっかりとお題目を唱え、悪鬼魔神が身心に入り込み、新型コロナウイルスに罹(り)患(かん)しないよう、功徳利益に充ち満ちた毎日の生活をお送りできるよう、ただただ念願いたすところであります。

 

 なお、休止しておりました添書登山の御開扉につきまして、九月十二日より再開されます。また、九月七日から十二月十五日まで一日二時間の「百日間唱題」を実施致します。詳細は予定表またはホームページで確認して下さい。

 

若葉会御講

 

御法主日如上人猊下御言葉

 ただいま拝読申し上げた御文は、信心口唱(くしよう)の広大なる功徳について御教示遊ばされているところの御文であります。

 そこで今、解りやすく口語体にて申し上げますと、「今の時代の世間の学者達は『ただ信心ばかりで、法門を理解しようとする心がなく、南無妙法蓮華経の題目を唱えるばかりで、どうして悪道に堕ちることを免れることができようか』と言っている。しかし、これら世間の学者は、法華経に説かれているところによれば、いわゆる有解無信(うげむしん)、すなわち御法門についての理解はあるが、信心がない者であるから、これでは阿鼻大城(あびだいじよう)に堕ちることは免れ難い。されば、たとえ法門の理解はなくとも、南無妙法蓮華経と唱えるならば、自然に悪道の果報を免れることができるのである。

 

 例えば、蓮華は太陽の光を受けて順々に開花していくが、別に蓮華に心があるわけではない。また、芭蕉(ばしよう)は雷(かみなり)の音で生長すると言われているが、別に耳があるからではない。されば、我ら凡夫は蓮華と芭蕉とのように、無智・無識ではあるが、法華経の題目は日輪(にちりん)と雷との如く、その功徳は殊勝(しゆしよう)であるから、これを信じて妙法を唱える時は必ず利益を受けることができるのである。

 

 犀(さい)の生角(いきつの)を身に付けて水に入ると、水が身から五尺離れて濡れることがないと言う。香木の栴檀(せんだん)の一葉(いちよう)が開くと、四十由旬(ゆじゆん)の広範囲にわたって悪臭を放っていた伊蘭(いらん)の匂いが消え去ると言われている。我ら凡夫の悪業の臭気(しゆうき)は、伊蘭と水のようなものであり、法華経の題目は犀の生角と栴檀の一葉のようなものである。金剛石(こんごうせき)は堅固で、いかなるものをもってしても破ることはできないが、羊の角と亀の甲だけには破られると言う。五百台の車を陰に覆って、なお余りあるくらいに広大に生長するという尼倶類樹(にくるじゆ)は、大きな鳥にもその枝は折られないが、蚊の睫(まつげ)に巣を作るという小さな鷦鷯鳥(しようりようちよう)のようなものである。琥珀(こはく)はよく塵(ちり)を取り除き、磁石は鉄を吸う。我らの悪業は塵と鉄との如く、法華経の題目は琥珀と磁石との如くである。

 

 かくの如く、法華経の題目は偉大なる功徳と勝れた能力を有(ゆう)していることを説かれているのである。されば、各々、かく信じ、かく思いて、常に南無妙法蓮華経と唱えていきなさい」と仰せられているのであります。すなわち、当文は譬えを挙げて、法華経の題目、すなわち本因下種の妙法の殊(こと)に勝れていることを示され、もって一生成仏のためには南無妙法蓮華経を信受することがいかに大事なるかをお示しあそばされているのであります。

八月度 広布唱題会の砌  令和二年八月二日 於 総本山客殿

 

 

妙 眞 寺 の 動 き

 八月度は、二日(日)午前九時から広布唱題会、永代御経日を奉修致しました。八日(土)午後七時、九日(日)午後二時より月例の宗祖日蓮大聖人御報恩御講を奉修申し上げました。十五日(土)、十六日(日)午後二時より盂蘭盆会を奉修致しました。また二十三日(日)には、妙眞寺団体添書登山を行い、二十四名が参加参加致しました。今月もコロナ禍のため、体調に留意し御参詣下さい。上記にもありますが、総本山大石寺への登山、御開扉は当面の間休止となっておりますので、御了承下さい。