御開扉の心構え

 総本山大石寺に登山参詣し、御開扉を受けることは、私達にとって最も根本の修行であります。
 何故なら、宗祖日蓮大聖人の御(ご)魂(こん)魄(ぱく)を顕された本門戒壇の大御本尊を直々(じきじき)に拝し、お題目を唱えることが出来る唯一無二の霊場であるからです。
 本来は、広宣流布に至るまで拝することのできない大御本尊を、御法主上人猊下の御慈悲により、信徒に限り特別に「内拝(ないはい)」という形で御開扉を受けさせて頂いているのです。
 御開扉の本義は、唯授一人血脈付法の御法主上人猊下大導師のもと、本門戒壇の大御本尊に御目通りさせて頂き、仏恩報謝を申し上げ、種々の御祈念をさせて頂く姿に収まっているのです。
 最近、登山する人の中に、御開扉を受けるには不釣り合いな服装が見受けられます。
 御法主上人猊下を初めとして、御僧侶の方々は、一同に法衣を着用になっているのに、私達信徒の服装が乱れているようなことでは、まことに大御本尊に申し訳けありません。
 また、御開扉直前になって奉安堂に来る人や、中には御法主上人猊下が御出仕されてから、遅れて入場してくる人もいるということを耳にしました。このようなことは、法華講員として充分に気をつけなければならないことではないでしょうか。
 本門戒壇の大御本尊は、御本仏日蓮大聖人の御当体であります。生身の大聖人様に御目通りすると考えた時、私達は御開扉に際して、
◎ 服装は正装を心掛ける。
◎ 時間の余裕を持って奉安堂に行く。
◎ 真摯な気持ちと態度で臨む。
の三点は心掛けるべきです。
 総本山には、全国から、そして海外からも沢山の方々が渇仰(かつごう)恋慕(れんぼ)の信心をもって登山されています。中には入信したばかりの方、初めて登山される方もいます。幼い子供や学生さんもいます。それらの方々に、御開扉に臨む姿勢・服装・態度・振る舞いを、自らの姿をもって示し、教えていくのも、信心の上からとても大切なことだと思います。
 日蓮正宗の檀信徒である私達は、真の大聖人様の弟子檀那として、また法華講の誇りと自覚を持って、清々(すがすが)しく御開扉に臨みたいものです。

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