法統相続の大事

 日蓮正宗の信仰を子孫に受け継がせていくことを「法統(ほっとう)相続(そうぞく)」といいます。

 日蓮大聖人が説き示された南無妙法蓮華経は、あらゆる財宝や資産よりも勝れた無上(むじょう)宝聚(ほうじゅ)なのですから、親として子供の幸福の為にこの信心を受け継がせていかなければなりません。

 皆さんの御家庭は、きちんと法統相続されていますか?家族の将来の信心を真剣に考えていますか?

 親の姿を見て子供は自然と信心について学んでいきます。親がいい加減であったり、怠惰(たいだ)になっていては、法統相続は出来ません。親自らが率先し範を示して、時には厳しく、そして優しく、けじめを付けた教化育成が必要です。それにはまず勤行を教えることが法統相続の基本です。物心(ものごころ)が付く前から、子供と一緒に規則正しい勤行をして、日常生活の中で、信心の姿勢を教えていくことが大切です。また食事の前に題目三唱することなども習慣付けたいものです。

 御法主上人猊下は
「我々は、子供を育てていく上での普段の家庭教育においても、たとえ義を知らなくても一緒に勤行をし、御題目を唱えさせていくということが大切なのです。(中略)それには、我々一人ひとりが本当に信心を強くして、しっかりと法統相続をしていくことが大事である」(折伏要文二五頁)と御指南されています。

 また「子供には子供の人生があるから」「嫁ぎ先には嫁ぎ先の宗教があるから」などといって、子供に法統相続をさせないのなら、厳しく言えば、それは子供が三悪道(さんなくどう)に苦しむ姿を見て何とも思わない親になり、これほどの無慈悲なことはありません。子供の幸せを本当に思うなら、子供と向き合い、粘り強く信心の話をしていく事が大切です。
 

 そして何よりもお寺に参詣していくことが大事です。大聖人様は『寂日房(じゃくにちぼう)御書』に「父母となり其の子となるも必ず宿習(しゅくじゅう)なり」(御書一三九三頁)と仰せられ、正しい仏法による親子の深い因縁を説かれています。

 親の信心の強い確信と子供を想う慈悲の心こそが法統相続の精神ではないでしょうか。